朝が来ない世界

あ〜ちゃん

神さまに導かれて

 塾から帰ってくると23時半だった。


 テーブルに置かれた夕飯の焼きそばをレンジでチンし、食べた。


 風呂は追い焚きして温め直して入った。


 あー疲れた。


 これってブラック企業のサラリーマンよりきつくね?


 あ〜さっさと寝よ。


 掛け布団と電気毛布を被り、俺は寝た。


 夢はみなかった。深い深い眠りだった。成長痛かな?ちょっと足がじんじんする。湿布貼ればよかったな。まあそんなこといいか。


 耳元で何かが鳴っている。少し遅れてそれが目覚まし時計だと認識する。ああもうこんな時間か。全然寝れてないや。


 でも外が明るくない。


 おかしいな。


 天気が悪いのかな?


 「大喜!太陽が出てこないの」


 「そんなことより寝かせてくれよ」


 「早く起きなさい!」


 母さんの顔は真っ青。


 太陽が出ないだって?


 じゃあ学校は休みかな?


 ラッキー!


 今日は臨時休校だっ!


 わ~い、わ〜い


 心の中の俺が喜びの声をあげた。


 「お主、夢をみておるな」


 白い着物を着た白髪の老男性が現れた。


 神さまかな。


 「お主、そのままの生活を続けておれば、病気になるぞよ、心しておけぞ」


 「今に改心する日が来るぞよ。しかし病気になるのは辛くないことぞよ。病気になって人は大切なことに気づくのじゃ。そして大切なことは人それぞれ違うのじゃ。自分も他人も許せる日が来るぞよ。」


 「誰も恨まない、この世の楽園来るぞよ」


 「しんどさから解放されるぞよ」


 俺は目を覚ました。


 太陽は昇っていた。


 変な夢を見ていたようだ。


 俺の身体は重だるく、ベッドから立ち上がれないほどだった。


 俺は病気になったのかな?と思った。


 でも神さまは病気になるのは意味があるようなことを言っていた。 


 俺はまあいいかなと思って、また寝た。

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朝が来ない世界 あ〜ちゃん @mitsugashiwa

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