デットラインの上で踊れ(名前のこと)
七瀬京(Pro-ZELO)
第1話
考えてこだわって作ったペンネームより、必要に迫られて作ったペンネームの方が長続きするのはなぜだろう?
赤面の至りではあるのだけれど、ジャンルにふさわしく、自分の書いているものを名前のエッセンスとして入れて・・などと考え抜いて作った名前は、定着もしなかったし、多分作品も残していない。それゆえ、そういう行動を経て作ったペンネームがあるというのは記憶していても、名前自体覚えていないというのだから、甚だ哀れな名前たちではある。
本来は、たくさんの作品を生み出し、そこにラベリングされる名前であったはずなのに。
今、webメインで使用しているペンネームは「七瀬京」という。
たくさん、作品を作ってきて、そこにこの名前をラベリングしてきた。
これも全く適当に付けた名前だった。
そもそも前のペンネーム「荒川延明」でゲームを作成するとなったとき、主題歌が必要になった。
主題歌は私が作って私が歌っているのだが、私の音域はソプラノで、まあそんな感じの高音な曲を歌っている。
そのとき、「荒川延明」という男名前のペンネームが、なんとなくアンマッチなかもしれないと、ふと、思ってしまった。
男名前なのに、高音ソプラノが出てきたら、そりゃあまあびっくりするだろうよ。
それで、名前を付ける必要があったが、気付いたのが入稿数十分前。
すでに、印刷所にはかなりご迷惑を掛けているタイミング。
このくらいのタイミングだと、仕事をしていても創作の作業をしていても何もかもがハイテンションで、言行に奇行が目立つようになってくる。
一日中「ヒャッハーーー」な気分だったし。
「全世界のエネルギーよ、我が指先に集中せよ」とか思っていたし。
エナドリを一日に何本入れたかという世界だったし、夜中ポテチとかケーキを食べながら作業してた。(なのに結果痩せた!!)
で、どのくらい迷惑を掛けたかというと
「2000部は無理です。でも、1500ならなんとかなります!」
とあまり皆さんがやってこないであろう「必殺! 部数減らし」をやっていただくハメに陥ったくらいの超絶真っ黒な入稿スケジュールだった。
なので、私の「便宜的に付ける名前」などにこだわっている暇はない。
しかし、何もないところからペンネームなど生まれないもの。
それで考えた。
せめて好きなものから取ろう。
猫。
私は猫が好き!!
ネコチャン大好き!!!
猫は正義っ!!!!
というわけで、私の名前は、「ななせみやこ」とよみますが。
ほんとうは「にゃにゃせ、みゃーこ」なのだ。
ネコチャンなのだ。
この名前の由来はどこかでも語ってきたと思うが、背景まで語るのは実は初めて。
こんな、デットラインでの戦いの状況なんか、お話しできるはずもない。
しかしなんとなく、まあ、そろそろいっか。という気持ちになった。あちこちで顔出しで活動しているせいもあるかもしれない。
しかし、あれ以後は、ここまでひどい入稿をしたことはないので、「もうしない」意味でもこの名前で活動するのは良かったのかもしれない。
少なくとも、自分の名前を見るたびに、あの、デッドラインで踊っていた時期を思い出すからだ。
※蛇足1※
現在、私が使っているペンネームは、大体5つ。
書いているジャンルも七瀬とは違う。
そのどれもが、なんか適当に付けた名前であることは追記しておく。
※蛇足2※
当時若かったからかもしれないけど、こういう状況で作業していると(10日で1時間くらいの睡眠時間)、毎日ポテチ3袋くらい食べても痩せるし、私の永遠のお姉様は毎日アーモンドチョコを一箱食べても痩せたっていってた。
なので甚だオススメしないけど、この作業環境、奇行が多くなって人としては終わるけど痩せます!!
※蛇足3※
各印刷所様、プレス会社様、ショップ様には本当に本気で足を向けて眠れない。
デットラインの上で踊れ(名前のこと) 七瀬京(Pro-ZELO) @nanase-prozelo
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