名前を持たない狐耳の女神と、隕石を落とす女神

時はおよそ三〇〇万年前。
まだ人類も誕生したばかりの頃。
天界に、ふたりの神隔世からの来訪者が現れる。
ひとりは銀髪の賢き女神、もうひとりは名前を持たぬ「狐耳の女神」。

目的は異世界との交流と、そして──「名前探し」。

彼女たちは天界で、ひとりの無邪気な女神と出会う。
黄金色の髪、蒼玉のような瞳、そして恐るべき……「隕石召喚能力」。
その子の名はアルテミス。まだ幼く、まだ未完成な神の卵。
だが彼女の笑顔は、ふたりの神の心を軽やかに解きほぐしていく。

名前を与えられた狐耳の女神は「コン」に、銀髪の女神は「ギン」と呼ばれ──
ほんのひととき、3人の女神は共に笑い、語らい、絆を結ぶ。

これは、『ギャル女神』本編より遥か昔。
まだ世界が若く、神々もまた未熟だった時代。
「名前のない女神」と「名づけた女神」の、小さくも尊い出会いの物語。