少年の瞳が捉えたのは―――

 子どもの頃見た光景は、不思議と細部までよく覚えているものだ。
 純粋で繊細な時期だからこそ、見つめ、気づけることがあるのだろう。

 今作品では、小学生のひ孫から見た曽祖父と菊の有り様を、とても丁寧に、時に残酷なほど鋭く描写されています。

 浮き彫りになる人物像、人間関係。
 崇高であり、歪であり。
 ラストに漂うのは、存在感と喪失感。

 静かな筆致で、一人の人間の生き様を見事に語り切った素晴らしい作品です。
 是非、皆さんも触れてみてください。
 お勧めです!

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