第70話は、いわゆる“ステータス確認回”でありながら、情報の密度と世界観の奥行きがしっかり読者を引き込む構成になっている。
特に〈天羽々斬〉から〈草那藝之大刀〉への“上書き”という現象が、ゲーム時代には存在しなかったイレギュラーとして描かれ、物語の緊張感と未知への期待を自然に高めているのが巧い。
草那藝之大刀の設定は、PAC時代のカード仕様を踏まえつつ、三種の神器との連動効果や“弑神・破邪・龍殺”といった強烈なワードで読者のロマンを刺激する。
単なる強武器ではなく、「本来なら揃わない三種の神器が揃ったらどうなるのか」という“もしも”を読者に想像させる余白があるのも魅力だ。
さらに、〈アバドン〉の第六機構“蝗砂玉体”の解放により、主人公の肉体そのものが変質するという展開は、強化描写でありながらキャラクターの存在性そのものを揺さぶる大きな転換点になっている。
“ロギ……いや、なんでもない”という一文が、読者にニヤリとさせるメタ的な遊び心を添えているのも良いアクセント。
最後のステータス一覧は、読者に「ここから本当のラストゾーンが始まる」という高揚感を与える、まさに“決戦前夜”の空気を作り出している。
総じて、
強化回でありながら物語の核心に近づく“節目”としての重みをしっかり持った一話
に仕上がっていると感じた。