世界から忘れ去られた少女たちが、空っぽの博物館から旅立つ。
- ★★★ Excellent!!!
通り魔事件に巻き込まれ、命を落とした四人の少女。
彼女たちは「世界から忘れられた存在」となり、「終わりの博物館」と呼ばれる不思議な場所に辿り着きます。
自称「神様」の少年(?)から告げられたのは、元の世界に戻るための「遺物」を探す旅。
絶望的な状況のはずなのに、少女たちのやり取りはどこか軽やかで、それでいてふとした瞬間に差し込む寂寥感が胸を打ちます。
「とんぼちゃん」こと主人公・茜の視点で描かれる、幻想的な異世界の描写も魅力的。
空から降る色とりどりの妖精や、二つの太陽。
美しい世界観と、そこで紡がれる少女たちの繊細な心情描写に引き込まれました。