路上占い、あれこれ91【占い師は姫と会う】

崔 梨遙(再)

1066文字の実話の小ネタです。

 今は昔、若い頃の崔梨遙というものありけり。



 なんちゃって古文は置いておいて、崔の若い頃のお話です。今、新しい出会いを求めるのに、出会い系サイトなどがありますが、僕の若い頃はテレクラが主流でした。


 お店に行って、かかってくる電話をとって、話して、待ち合わせ場所を決めて会うのですが、会ってみないとどんな人か? 怖いので電話番号は会ってから教え合います。待ち合わせには、自分の服装の特長などを伝えるのです。


 或る日、偉そうな女性と電話が繋がりました。


『今日、暇やから、会ってあげてもええで』


なんという上から目線!? 僕は反感を抱きました。


『なんか、あなたって上から目線やね』

『上から目線じゃなくて、上やもん。しゃあないやん』

『ほな、聞くけど、なんで上なん? 何を根拠に言うてるの?』

『だって、私は美人やから』

『何を基準に美人やと思ってるの? 根拠は何?』

『根拠は元彼、私のことを「姫」と呼んでくれて、私を深く愛してくれたもん。元彼は金持ちのボンボンやで。いろいろ貢いでくれたわ』

『ほな、その彼氏は?』

『私と婚約しようとしたんやけど、元彼の親の反対で私達は引き裂かれてん』

『そうなん? それはかわいそうやなぁ』

『私は腹が立ったから怒ってたけど、元彼は私と別れることになって泣いてたわ』

『それはいつの話?』

『最近の話やで。そう、それで彼氏がいなくなったから暇やねん。だから、今日なら遊んであげてもええよ』

『うーん、どないしようかなぁ・・・』

『ええこと教えたるわ。私、27歳。身長160、ウエスト58のFカップやで』

『会おう!』

『私のことは姫と呼んでや。ほな、待ち合わせ場所は・・・・・・』



『あんたやな、電話の男は、私が姫やで』


 姫は体のラインがよくわかる服装をしていた。首から下は『ええ女』だった。しかし、顔が! 顔が! 顔は足軽だった。とても姫とは呼べない。僕は期待が大きかった分、気分の落差がひどかった。


『居酒屋でも行こか? 何してんの?』

『・・・うん・・・』



 居酒屋で、姫? はいろいろ話してくる。自慢話ばかりだった。元彼にいかに愛されていたか? 語られた。僕は早く帰りたかった。


 そこで、フランスのことわざを思い出した。『靴は履いてみないとわからない』、男女には体の相性というものがある。結ばれてみないとわからないのだ! 確かに首から下は魅力的だし!


 と、思ったが、姫? の顔を見ていると萎える.僕はどうすればいいのだ!? 早く帰りたいという気持ちも膨らんでいる! さあ、どうする? 崔梨遙!?



 皆様なら、こんな時、どうしますか?

(突然の大喜利:笑 真面目なコメントも歓迎ですよ)




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路上占い、あれこれ91【占い師は姫と会う】 崔 梨遙(再) @sairiyousai

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