ナーロッパ戦線異常アリ ～なろう勇者と悪役令嬢の大戦争にガチの戦記作家が転移してしまった件～

戦記ノンフィクション作家、リチャード・F・ニューカムは、国会図書館の地下で奇妙な「断層」に巻き込まれる。
​彼が目覚めたのは、物理法則が休暇を取り、狂気が指揮を執る異世界「ナーロッパ」の最前線だった。

​兵站無視でジャンクフードを食らう「ハーレム勇者軍」。
破滅フラグに怯えてスターリン主義的重工業化を進める「悪役令嬢軍」。
そして、戦場で愛を囁き合う「顔面至上主義・騎士団」。
​「ここは戦場ではない。肥大化したエゴの排泄場所だ」
​これは、英雄譚ではない。
一人の老いたリアリストが、ご都合主義（チート）と脚本（シナリオ）に支配された狂った戦場を、冷徹な筆致で記録した、地獄の従軍記である。