「アドバイスを貰いたい人」への答となるだろうか?

アイス・アルジ

言葉は届かない

 これは、自主企画「アドバイスを貰いたい人が書き、アドバイスをしたい人が覗く本棚」に対する、ひとつの解答(アドバイス)となればと思い、書いたものです。


 原則として、この企画の参加者は、なんらかなアドバイスを望んでいると解釈(理解)して書くことにします。適切なアドバイスができればと思うのですが(それほどの実力も、実績もないかもしれませんがし、おせっかいかもしれませんが……)。

 ……ですが、いくつか作品を読んでみて、(もっともらしい)適切なアドバイスをすることは〝不可能〟だと分かりました。

 各作者が望んでいるものは、人それぞれです。文章や物語の構成力UP、読まれたい(人気を得たい)、あるいはもっと別の〝人生(生き方)〟に関するアドバイスかも知れません。

 しかも、世代も背景も違う(私の得意分野とは思えない)作品ばかり……


 ここで、私が言えるアドバイスは、二つです。それは〝多くの作品(小説を)読む〟という事と〝他者の意見を聞く〟という事です。


 文章能力は、生理学(脳科学)的に、人間が最も遅く獲得(進化)した能力、言い換えれば、発達するまでに時間のかかる能力だそうです。個人の成長においても、優れた文章をたくさん読まなければ、文章能力の発達は難しいでしょう。(AIが機械学習するのと同じです)

 そのためには〝混石玉交のWeb小説〟より、(評価の確立している)〝本〟のほうが適しているでしょう。さらにいえば、一流の翻訳者の(優等生的)文章が良いかもしれません。自分の手本となる(基礎となる)、分かりやすく美しい文章の作家を見つけるのも良いでしょう。(好きな作家だけでは、非常に独特で、個性的すぎる場合もありえます)


 若い方の作品を読むと、雰囲気重視で、内容が分かりにくいと感じることが多くあります(古いと言われるかもしれませんが……)

 たぶんコミックの影響(一部のWeb小説の影響)ではないでしょうか?コミックは文章(会話)だけでなく〝絵〟により状況説明ができます。しかし文章(小説)では、しっかり説明しなければ伝わりません。

 作者は無意識に〝絵〟を思い描いたり、あるいは〝すでに知っている(頭に浮かんでいる)物語〟を書いています。従って、あまり説明しなくても作者自身には理解できます。(説明しない方が、スピード感があり、かっこよく感じるかもしれません)

 

 しかし、あなたの物語を初めて読む読者(第三者)にとっては〝絵〟を描いたり〝物語を思い描く〟ための説明が不足している場合があります。 

 作者には〝知っている〟というバイアスがかかりますが、読者は〝知らない〟のです。

 ですから〝他者の意見を聞く〟事が重要なのです。しかしこれは、なかなか難しいことです。(たとえば、カクヨムでも素直な意見が聞けるとは限りません。むしろ……)


 話し言葉であれば、ニュアンスやしゃべり方、表情などが加わるため、(比較的に)伝わりやすいと思いますし、また、反応を見ながら説明を追加したり、言い直したりできます。

 しかし、書き言葉(文章は)人それぞれ感じ方も違いますし、反応はすぐには見えません。書き言葉(文章は)〝正しく伝わらない〟と覚悟すべきです。(書き言葉の方が、たとえ何気ない言葉でも、人の心を深く傷つけるかもしれませんし、感動をあたえるかもしれません)

 ですから、その伝わらない言葉で、なんとかして伝えようと努力するのです。それは単に〝説明を増やせば良い〟というものではありません。(〝意図的〟に、あえて説明しないほうが良い場合もあるとは思います)

 適切な判断をするためには〝読んで、書いて、さらに読む〟事…… これを繰り返し経験を積むしかないのでは…… と思います。


 これは〝生き方〟についても同じかもしれません〝伝える〟努力をしなければ永遠に伝わりません。誤解を恐れない努力(忍耐)も必要です。

 〝伝わった〟と思えたとき、あなた(私)の心に(ある種の)平安が訪れるのではないでしょうか。

(私自身にとっても、難しいことですが…… いつの日か)

〝少しでも参考になれば〟いう思いを込めて。


 (2025/11/27)

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