アニメの推しキャラに成り代わったら、色々と設定がおかしいのですが誰か本筋に戻す方法知りません?

第1話 成り代わりとか聞いてない

異世界転生ーーーまぁ物語の中のあるあるでいわゆる主人公がゲームやアニメの中のキャラクターに転生した〜成り代わった〜みたいな、そういう感じのやつ


たしかに幼少期に憧れを抱いたことはあった

でも、さぁ…これは聞いてないって…


「おぎゃあ!おぎゃあ!」

「お母さん、可愛い女の子ですよ〜」


成川野乃花(28)突然ですがブラック企業にうんざりして自殺したら何故か転生してました…うんこれだけでラノベ作れそう…

いや、自分でも何を言っているんだと思う。だがこの現状を見てくれ

せっせと動く看護師さんたち

涙を流しながら喜ぶおそらく家族

そして赤ん坊の姿の私

これを転生と言わずしてなんと言うか…

そして何より、何よりだこの家族の顔…見覚えがあるっ!はてどこで見た顔か…?


「う?」


ふと、ガラス窓に自分の顔が写った

…いや、いやいやいやいやいやいやいや

この独特の純白の毛髪、透き通るような青い目…見覚えしかない…こんなの…見覚えしかない…!

まさに我が推しの…ルナ様ではないですか!?


え〜ここでルナ様を知らない画面の向こうの皆様に説明をしよう

ルナ様ーー本名ルーナ・アンバード

私が元いた世界に存在していたゲーム化、舞台化などもされたファンタジーアニメ(※もちろん皆さまのいる世界に実際にあるものではない)に登場するキャラクターの一人であり、主人公の前に立ちはだかる敵の一人でもある。たしか私の記憶が正しければ5歳、すなわちこれから5年後にある魔法能力鑑定テストというもので一族の中で唯一魔法が使えないことが判明する。それからというもの彼女の生活は一変。才能がないとして劣った者扱いをされ、さらに追い打ちをかけるように優秀で賢い養女の策略により嵌められ、家族からも嫌われ、闇堕ち。その後、なんやかんやで主人公と敵対し倒される…というまぁ悲惨な結末を迎える悲しき敵キャラである


嘘でしょ…私…最推しに成り代わったっていうこと!?


次回、私、死す、デュエルスタ◯ンバイ!

いやいやいや、じゃなくてじゃなくて

とにかくだ!私の使命は一つのみ

闇堕ち回避ルート?いや違う

主人公に勝つルート?それも違う

私が目指すはもちろん…

原作通りのルート!である!

いや、まぁね、ここはファンとして推しを救うべきなんだろうけどあいにく前世の私の死因は自殺なのだもう一回人生を長々と生きてたまるもんか!


⋆˳˙ ୨୧…………………………………୨୧˙˳⋆


と、決意して早5年

そう…皆さん…私が言った言葉をお忘れでないでしょうか?5年後…つまり私は現在5歳…と、いうわけで、明日から無能扱いされま〜す前世社畜OL、現在アンバード家第4皇女の成川野乃花もといルーナ・アンバードで〜す


そう、ついに明日がその日なのである

たしかに原作を知っているだけあり、魔法能力鑑定テストへの緊張感とは別の緊張感もあるがもはやうざいまである家族や周りの溺愛からも解放されるのであれば、一石二鳥…


コンコンコン


「ルナ、私よ入ってもいい?」

「あ、おねえさま!どうぞ!」

「ル〜ナっ!明日のテスト楽しみね!」

「はい!でもちょっときんちょうします…」

「ルナなら大丈夫よ〜」


噂をすればなんとやら

今私に頬ずりをしているこの人は

モミザ・アンバード

アンバード家の第2皇女、つまり私の2つほど上の姉に当たる人物だ

たしかこの人は割と最後辺りまで信じてくれてた人だったな〜と思いつつも表面上では可愛い可愛い5歳児を演じる


「ルナはどんな魔法を持ってるのかしらね?やっぱり一族相伝のもの?それとも私みたいに名前にあやかって特殊な魔法とか〜」

「えへへ〜たのしみです〜」


いいえ、お姉様、ご期待に添えず申し訳ありませんがわたくし無能でございます

ちなみにモミザの能力は名前の通りモミザの花に限り、自由に操ることができる魔法らしい。大抵こういう貴族の魔法は一族相伝のものなのだが稀に相伝ではない特殊なものがあるらしい。まぁ、私には関係のないことだが


「モミザ、気持ちはわかるがその辺りにしてもう寝かせてやれ」

「あら?カイルお兄様」


カイルお兄様というのはアンバード家の第1皇子のカイル・アンバードのことである

ちなみに現在時刻はまだ19時

寝るには少々早い時間だが、初めて魔法を使うときは体力も使うため早めに休む必要がある、らしい


「もうちょっとお話していたかったのだけど…まぁ、また明日ね!ルナ!」

「はい!」

「さ、ルナはそろそろ寝るんだぞ?」

「わかりました!それではおやすみなさい!おにいさま!」

「ああ、おやすみ」


ふわっと笑って頭を撫でてくれた

これが明日からは蔑みの目に変わるのかぁ…結末を知っていると特になんとも思わないがさすがに5年間一緒だと少し落ち込む部分はないでもない

さてと、言われた通り寝ますか…さようなら私の幸せ皇族生活


⋆˳˙ ୨୧…………………………………୨୧˙˳⋆


翌日ーーー

私は城の一室にある広い部屋にいた

今から、鑑定テストが始まる

ここで私の何一つ不自由なかった生活は終わりを告げる。もちろん心の準備はできている


「それでは、鑑定テストを始めます。ルーナお嬢様、準備はよろしいですか?」

「は、はい!」


胸に手を当てて、頭の中を空っぽにし、深層意識まで潜り込むようなイメージで…と、散々聞かされた方法をできないと分かっていても一応やってみる。まぁ、形式だけでもね、やっておくのは大切…


「あらぁ?何かしらぁ?ふあぁ、久しぶりに起こされちゃった…」

「…………はい?」


え?誰?知らない…誰?え、原作では確かここで何も発動しなくて無能扱いされる予定じゃ…


「あ、あの、だ、だれ…?」

「ん?あなたが、私を呼び出した人?私はリーリアよ〜よろしくね?」

「え?」


周囲にどよめきが走る

リーリア

その名前は何回も聞いたことがある

たしか、大地を司る精霊でこの世界を創生したと言われている四大神のうちの一人…え?私、無能の予定では…?え?原作ではこんなの描かれてないし、たしかに何も発動できなかったと公式ではっきりと記されてる…え?ちょっと運営さん…設定おかしくないですか?

















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アニメの推しキャラに成り代わったら、色々と設定がおかしいのですが誰か本筋に戻す方法知りません? @Kisaraju

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