才能に魅せられて

哲也

本文

 私はほとんど本を読んだことがありません。今でこそWeb小説は読みますが、有名作家の書籍を読むことは皆無です。それでも書きたいと想った瞬間が、31歳の夏の終わりに急に訪れました。


 それは大学を卒業して10年目を迎えた、親友同士の毎年恒例の地元でのBBQのときでした。


 いつも通り思い出話を語り合う場なのですが、その時は何故か、社会人10年間の経験や思想の話になりました。その時、ふと私は思想を書き留めようと想いました。


 ただ評論や自己啓発本を書くのはハードルが高いと考え、小説で表現しようと想いました。


 そもそも社会人10年間の経験や思想の話になった理由ですが、当時の私は「原作版 左ききのエレン」にドハマりしており、その影響も確実にあったと想います。


 当時、転職活動準備として情報収集する中で本作を知りました。画はお世辞にも漫画家さんの中では上手いと言えない1巻でしたが、話が非常に引き込まれる内容でドハマりしました。5巻まで一気読みしました。


 天才ではなく凡人である主人公にめちゃくちゃ共感しましたし、クセの強いキャラ達に圧倒されました。そして26話(4巻の序盤)で気づきました。私はこの作品に魅せられていると。


 それからは、自分の思想を小説で表現するプロットは、本作から徹底的に真似ようとしました。登場人物の設定背景を知りたくて、作者様のnoteを読みに行くようになりましたし、同じ様な粒度で自身のスマホのメモに自作小説のキャラ設定周りをスキマ時間に書き込むようになりました。人生初の経験ですが、それが物凄く楽しかったです。人生で初めて創作の楽しさ・喜びに触れました。


 夜遅い日もあれば朝早い日もある。そんな非連続な創作の日々が続きました。


 私の人生、小説という創作物はこれまで出逢った方々、挫折らによって形成されています。合理化ではなく小説へ昇華することで、これまでの人生をまずは自らが肯定的に受けとめようと想いました。


 あとは創作を始めてすぐに気づいた私の性癖ですが、好きな作品ほど何故か反論したくなっちゃうんですよねw


 本作は天才と凡人の対比、凡人側のもがき苦しみが目立ちますが、私はそもそも全員が天才だと想っています。


 本作に対する最大のリスペクトとアンチテーゼを持って、私の創作はスタートしました。


 そして本作には今でも深く感謝していますし、今も毎週欠かさず最新話を読み、今日も私は創作の可能性を広げられています。

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