第5章 商人、影、そして浮遊の門



 二日目──朝


 海斗が目を覚ますと、初めて感じる感覚があった。温もり。


 最初の一瞬、どこにいるのか忘れた。

 半分眠った頭はまだ、東京の固いベッドと、

 デジタルアラームの耳障りな音と、

 薄いカーテン越しに差し込む朝の光を期待していた。


 現実に戻ってきたのは、

 今にも崩れそうなシェルターの壁と、

 薄れゆくエッセンス構造を通したアルケアンの灰色の光と、

 出入り口近くに座り、膝に剣を置いて外を睨むミラの姿だった。


「朝だ」

 ミラは振り返らずに言った。

「八時間ぶっ通しで死んだように寝てた」


「八分にしか感じなかった」

 海斗は起き上がり、固くなった体を伸ばす。

 頭はまだ鈍く痛む――昨夜のエッセンス疲労の名残――

 だが予想よりずっとマシだった。


「異常はもう来なかった」

 ミラが報告する。

「でも東に新しい亀裂がいくつかできた。少し遠回りになる」


「もちろん新しい亀裂だ」

 海斗は減っていくエッセンス果実の籠に手を伸ばし、ため息。

 残り三個。

「旅がまだ足りなく挑戦的だったからな」


「いいところもある。

 君のシェルターは一晩ちゃんと持った。

 初構築にしては立派だ」

 ミラがようやく振り返り、薄く微笑む。

「アルケアンで本職の建築士になったら、私が最初の客になる」


「死刑囚の元騎士に建築料を払う金はない」


「細かいことはいい」


 突然、バッグからコンペンディウムが――文字通り――浮かび上がった。

 表紙が光り、必要以上に劇的に宙を舞う。


「おはよう、昨夜エッセンス枯渇で死にかけた建築士。

 愛しの馬鹿患者、気分はどうだ?」


「霊的ハンマーで殴られたみたい」

 正直に答える。

「でも生きてる。それが前進だ」


「最小限の前進だが、受け取ろう」

 ページがぱたぱたとめくれ、何かを確認する様子。

「エッセンス残量は40%まで回復。

 今日一日なら足りる――奇跡を起こさなければな」


「自重するよ」


 朝の準備。

 ミラは鎧と剣を点検。

 海斗はコンペンディウムの「エッセンスは魂の水だと思って流れを調整しろ」

 という全く役に立たない説明を聞く。

 二人で最後の果実の一つを分け合い、朝食。


 出発の直前、海斗のシェルターは完全に崩れた。

 光の粒子となって宙に舞い、消えていく。


「さようなら、僕の美しい一夜の家」

 大げさに呟く。


「今夜また作ればいい」

 ミラ。


「残量40%で? 賢い選択とは思えない」


「じゃあ今日は波乱なく済ませよう」


 コンペンディウムが皮肉っぽく笑う。


「崩壊平原で? 健闘を祈る」


 ✦ ✦ ✦


 二日目──昼


 コンペンディウムの懐疑は正しかった。


 四時間、何事もなく歩けた。

 ほぼ奇跡的だった。

 亀裂は確かに密集してきた(50~70メートルおき)が、

 コンペンディウムのナビで回避できた。


 そして彼らは馬車を見つけた。


 正確には――馬車の残骸を。


 ひっくり返った木枠、折れた車輪、散乱した荷物。

 高級そうな布、金属器具、見知らぬ液体が入った割れた瓶。

 そして最も気になるのは戦闘の痕跡。

 地面に深く刻まれた爪痕、乾いた血痕、

 車体の一面が巨大な力で抉られた穴。


 死体は一つもない。


「強盗?」

 海斗が小声で。


 ミラが膝をついて跡を調べる。


「違う。強盗なら値打ち物は持っていく」

 高級そうな絹の布を掲げる。

「普通の強盗じゃない」


「崩壊異常?」

 昨夜の戦いを思い出す。


「異常はこんな物理破壊はしない。

 現実歪曲であって、機械的破壊じゃない」

 コンペンディウムの声に焦り。

「こっちの方が……防御構築かエッセンス兵器っぽい」


 ミラが素早く立ち上がり、剣の柄に手。


「今すぐ離れる」


「待って――」

 海斗はひっくり返った馬車の陰に、

 石に引っかかった紙を見つけた。


 急ぎつつ丁寧な手書きのメモ。


 ヴェロリアへのエッセンスクリスタル輸送中止。

 崩壊平原7-Bセクターで正体不明の襲撃。

 護衛センチネル二体破壊、商人三名行方不明。

 このメモを見つけた者は東ルートを避けよ。

 奴らはまだうろついている。

 何かを探している。


「カイト、――」


 ミラの言葉は最後まで届かなかった。


 一番近い亀裂の向こうから、

 何かが踏み出してきた。


 異常じゃない。センチネルでもない。


 黒いローブに身を包んだ人影。

 フードで顔は見えない。

 背が高く、細身。

 滑るように動く。


 そして海斗の霊的感覚に――

 完全に空白。

 エッセンスの気配がまるでない。

 黒い穴のようだった。


「ヴォイド・アサシン」

 コンペンディウムが、今まで聞いたことのない純粋な恐怖で囁く。

「カイト、ミラ――逃げろ。今すぐ」


 二度言われる必要はなかった。


 二人で逆方向へ走る。

 だが横と正面からも同じ姿が現れ、道を塞ぐ。

 瞬く間に六体のヴォイド・アサシンが完璧な円陣を組んだ。


「コンペンディウム、策は!?」

 ミラが剣を構えながら叫ぶ。


「シュタインレイヒ製対建築士特化暗殺構築。

 エッセンス反応を吸収し、霊的感知不能になる。

 倒す方法は――」

 途切れる。

「歴史上、ヴォイド・アサシン部隊から生きて帰った建築士はいない」


「全く役に立たない!」


 一体が前に出る。

 声は重なり合う――男、女、子どもの声が同時に。


『標的確認。建築士反応検出。処刑許可。』


 ローブの袖から黒い刃が現れる。

 金属ではなく、闇そのものの欠片。

 光が刃の縁で曲がる。


「カイト」

 ミラが体を盾にするように。

「何があっても刃に触られるな。

 一度でも触れたら、世界の果てまで追跡される」


「また具体的で恐ろしい!」


「知ってる!」


 六体が同時に襲う。

 動きは完全に同期。


 ミラが最初の一撃を二体受け止める。

 付呪剣とヴォイドの刃が激突し、眩い火花。


 残り四体が海斗へ。


 海斗は震える手でスケッチブックを開く。

 壁でも障壁でも何か――

 パニックで頭が真っ白。


 右から最初の刃。

 辛うじて避ける。

 服をかすめ、骨まで凍る冷気。


 左から二本目。

 石につまずき、尻もち。


 二体のアサシンが頭上に立ち、

 最後の刃を振り上げる――


 ゴォン。


 海斗とアサシンの間に、

 突然石の壁が突き上がった。


 海斗の構築じゃない。

 より粗野で実用的な、

 だが頑丈な三メートルの石壁。


 海斗は呆然と見上げる。


「上だ、友達!」


 壁の上に、中年の男が立っていた。

 銀髪を後ろで束ね、

 崩壊平原には不釣り合いな豪華なマント、

 丸い眼鏡、

 そして命がけの状況に全く似合わない満面の笑み。


「ヴィクトール・アッシュフォード、ご奉仕の準備完了!」

 アサシンが壁を登ろうとする中、芝居がかったお辞儀。

「エンジニア、商人、困ってる建築士の即席救世主!

 ミラちゃん、やっぱり君はトラブルメーカーだね?」


「ヴィクトール!?」

 ミラの声は安堵と苛立ち半分。

「なんでここに!?」


「三日前に俺のエッセンスクリスタル輸送隊が襲われた。

 盗品追跡と面倒な保険請求に来てたら、

 めっちゃ面白いエッセンス反応を検知してね」

 ヴィクトールが海斗をキラキラした目で見る。

「調査に来たら、最高のタイミング!」


「雑談してる場合か!」

 海斗が叫ぶ。アサシンが一人壁を登り終える。


「あ、ごめん」

 ヴィクトールがマントから青いクリスタルボールを出す。

「みんな目をつぶって」


 地面に投げる。

 爆発的な光が視界を真っ白に。


 海斗は遅れて目を閉じた。網膜が焼ける。

 だが悲鳴が聞こえた――非生物でも悲鳴を上げるのか?


 視界が戻る(まだ光の斑点だらけ)。

 六体のアサシンが後退。

 黒いローブが壊れた映像のように震えている。

 光が闇のマトリクスを破壊したらしい。


「純粋エッセンス注入の軍用フラッシュクリスタル」

 ヴィクトールが天気の話をしているように。

「超高額、市民は違法、闇系構築には抜群に効く。

 俺は用心深いからね」


 アサシンは近くの亀裂へ消えた。

 負けたのではなく、戦略的撤退。


 ヴィクトールの石壁も寿命が来て崩れ始める。


 彼は年齢離れした軽やかさで飛び降り、

 完璧に着地し、両手を広げて海斗に近づく。


「改めてヴィクトール・アッシュフォード。

 エッセンスエンジニア、遺物商人、面白いものコレクター」

 海斗が反応する前に握手。

「君は俺が今まで見た中で最も謎めいた建築士反応だ。

 よろしく!」


「あ……春政海斗。……めっちゃ混乱してる建築士です」


「最高! 混乱してるのが好き。会話が弾む」

 ようやく手を離し、

 近づいてくるミラに向き直る。

「ミラちゃん! 噂よりずっと元気そう。

 シュタインレイヒに処刑されたって聞いてたけど、

 噂って当てにならない――もしくは会話上手な幽霊?」


「死にかけた。カイトが有機構築で助けてくれた」

 ミラが海斗を指す。


 ヴィクトールが止まる。

 海斗を見る。ミラを見る。また海斗を見る。


「有機構築。野戦で。正式訓練なし――

 スケッチブックの持ち方からして予想はしてたけど」

 海斗の周りをぐるぐる回りながら観察。

「驚くべき。実に驚くべき。

 どこ出身? 師匠は? どうやって――」


「異世界、師匠なし、俺も知りたい」

 海斗が遮る。

「このパート飛ばして、

 さっき死の暗殺者に襲われた事実の方に集中してくれません?」


「ああ、ヴォイド・アサシンね」

 ヴィクトールがハエでも払うように手を振る。

「今日はもう来ない。

 フラッシュクリスタルで闇マトリクスが壊れて、

 最低12時間は回復に必要。

 今は安全」


「『今は』ってのが安心できない!」


 コンペンディウムが浮かび上がる。


「ヴィクトール・アッシュフォード。

 データベースに記載あり。

 ヴェロリアアカデミーから違法崩壊エネルギー実験で追放。

 シュタインレイヒ指名手配中の遺物密売人。

 ……かなり怪しい味方だ」


「建築士大全!」

 ヴィクトールは本気で喜んでいる。

「180年前にカステラン遺跡で失われたって聞いてた!

 コレクターの中には大金を出す奴もいるぞ!」


「どのコレクターにも売られません、ありがとう」

 冷たく返す。


「売らない売らない。

 お互い得する協力が好きなんだ」

 ヴィクトールが笑う。

 笑顔が本物と悪党の境目がわからない。


「カイト、ミラ、ヴェロリアに行くんだろ?

 俺もだ。

 ヴォイド・アサシンに狙われたってことは、

 シュタインレイヒが新建築士の存在を知ったってこと。

 正門は無理だ」


「で、抜け道があると?」

 ミラが疑う。


「三つある。全違法。全効果的」

 ウインク。

「下層地区に俺の安全な家、

 最高の情報屋とのコネ、

 闇市場へのアクセスも完備」


 海斗とミラが目を見合わせる。


「……選択肢は少ない」

 ミラがため息。

「あと二日歩けば着くけど、

 ヴォイド・アサシンにロックされたら終わりだ」


「その通り!」

 ヴィクトールが手を叩く。

「じゃあ、この魅力的なグレーゾーンの商人の援助を

 ありがたく受け取ってくれる?」


 海斗はスケッチブックと、40%のエッセンスと、

 密集する亀裂と、背中に貼られた標的を思う。


「……いいでしょう。

 ただし罠だったら、エッセンス牢獄で閉じ込める」


 ヴィクトールが腹を抱えて笑う。


「好きだよ君!

 絶望と脅しが完璧にブレンドされてる!」

 馴れ馴れしく背中を叩く。

「行こう!

 秘密の乗り物は西500メートル。

 灰色の空がもっと暗くなる前にヴェロリアに着ける。

 正直、俺もこの惑星の昼夜サイクルがよくわからん」


 ヴィクトールは自信満々に先導。

 亀裂を優雅に避け、異常の上を軽やかに飛び越え、

 口笛まで吹いている。


「信用していいのか?」

 海斗が小声でミラに。


「私もわからん」

 ミラも小声。

「ヴィクトールは複雑な男だ。

 機会主義者だけど、二度助けられたことがある。

 彼なりの道徳基準がある」


「それが安心材料にならない」


「アルケアンへようこそ。

 安心できるものなんて何もない」


「乗り物」は地面から二メートル浮くワゴンだった。

 車輪は空転。

 車体は生きている回路のような幾何学模様。

 動力は――


「エッセンスエンジン?」

 コンペンディウムが渋々感心。

「アカデミーですら完成してない実験モデル……?」


「俺が完成させた」

 ヴィクトールが自慢げに側面を叩く。

「五年と三回の爆発(俺を殺しかけた)を経ての傑作。

 クリスタル一つで200キロ走る。

 センチネルレーダーにも映らず、

 秘密コンパートメントも完備」


 大げさにドアを開ける。


「どうぞ! ヴェロリア行き一等車、

 新友達は無料!」


 中は驚くほど豪華。

 ベルベットのシート、柔らかなクリスタルランプ、

 ティーポットとカップまで揃っている。


「旅は快適でなくちゃ」

 ミラが警戒しながらも座り、

 荒野二日間の後で明らかに安堵。


「命は短い。快適な旅が大事」

 ヴィクトールが操縦席――パイロットシート?――に飛び乗り、

 手振りで操作。

 低く心地よい唸り。

 ワゴンが滑るように動き出す。


 海斗は窓から崩壊平原が後退していくのを見る。

 亀裂が霧のように流れていく。


「さて」

 ヴィクトールは操縦パネルから目を離さず。

「三時間の旅の間、

 異世界から来た建築士がどうやってアルケアンに来たか、

 聞かせてくれないかな?

 面白い話は時間を短くする」


 海斗はミラを見る。

 ミラが肩�。


 深い息を吸って、海斗は語り始めた。

 東京のアパート、仕事への苛立ち、

 壁の金色の亀裂、

 殺人ゴーレムと共に目覚めた廃墟。


 ヴィクトールは異様に真剣に聞き、

 的確な質問を挟む。

 コンペンディウムが次元召喚の技術的詳細を補足。

 ミラが自分の救出劇を付け加える。


 話が終わると、ヴィクトールが小さく口笛。


「つまり崩壊が加速してるタイミングで、

 莫大な力と知識を持つ誰かが異世界召喚儀式を決行。

 偶然じゃない」


「何か知ってる?」

 海斗。


「噂だけ」

 慎重に。

「ヴェロリアの闇社会で、

 輪廻の橋関連の遺物を集めてる人物の話がある。

 資金も目的も不明。

 崩壊を止めたいって言う者もいれば、

 別の次元に逃げたいって言う者もいて、

 あるいは……」


「あるいは?」


「崩壊を加速させて、世界をゼロから作り直したいって言う者もいる」

 初めて真剣な顔で振り返る。

「俺の勘では、そいつが君を呼んだ。

 問題は――何のために?」


 ワゴンに沈黙。

 エンジンの唸りだけ。


 そして前方、

 フロントガラス越しにそれが見えた。


 ヴェロリア。


 三日前に地平線上の点だった浮遊都市が、

 今、圧倒的な威容で迫る。


 巨大な岩の島がいくつも空に浮かび、

 エッセンス光る透明の橋で繋がれている。

 建物は狂気のミックス。

 ゴシック尖塔とビザンチンドーム、

 現代クリスタルビルと中世小屋が同居。

 統一感はないが、

 なぜか調和している。


 中央に雲を突く螺旋の塔――

 コンシリウムタワー。ヴェロリアの権力中枢。


「美しいだろ?」

 ヴィクトールが静かに。

「絶望から生まれ、

 実利的な強欲で保たれている街。

 ヴェロリアに英雄はいない。

 値段の違う生存者だけだ。

 だが商人と情報屋の街では、

 真実も買える……

 どこで買えばいいか知っていれば」


「カイトが建築士だと知れたら十通りの搾取の仕方がある街でもある」

 ミラが辛辣に。


「それも正しい」


 ワゴンは浮島の下部へ。

 通常の入市は巨大クリスタルエレベーターだが、

 ヴィクトールは廃墟の奥の隠し洞窟へ。


「裏口の一つ」

 錆びた古いリフト。

 だが動く。


「これで下層地区直行。

 検問なし」

 ワゴンを停め、

 レバーを引く。


 ギシギシと不安げな音を立てて上昇開始。


 海斗は下を見る。

 地面が遠ざかる。

 上を見る。

 浮島の底――

 自然の岩と人工の支柱が絡み合い、

 エッセンスの脈が光る。


「誰が作ったんだ?」

 思わず呟く。


「リサンダー・カイン」

 コンペンディウム。

「三百年前、構築戦争の難民のための避難所として。

 彼の最高傑作の一つ……

 全てが崩れる前の」


 リフトが頂点に到達。

 闇のガレージに開く。

 他にも数台のワゴン。

 怪しい風体の人間が荷を運んでいる。


 ヴィクトールは数人に軽く手を上げ、

 向こうは無言で頷くだけ。


「ヴェロリアへようこそ」

 満面の笑みで。

「機会と陰謀と、

 かなり怪しいビジネスの街だ。

 きっと気に入るよ」


 ミラが剣を握りしめる。

 コンペンディウムがバッグに戻る。

 海斗の腹の奥に期待と恐怖が混じる。


 新しい章が始まる。


 そして直感が告げていた。

 これは崩壊平原を生き延びるより、

 ずっと複雑になる。




 NOTE:


 - 現在地:ヴェロリア ─ 下層地区

 - 隠されたエッセンス:40%

 - 新規味方:ヴィクトール・アッシュフォード ─ 状態:グレーゾーンの商人

 - 敵警告:ヴォイド・アサシン部隊 ─ 追跡中(クールダウン12時間)

 - 次なる目的:安全拠点構築、情報収集


 ヴェロリアデータベース:

「浮遊都市は絶望から生まれ、実利的な強欲で保たれている。

 ヴェロリアに英雄はいない。値段の違う生存者だけだ。

 だが商人と情報屋の街では、真実も買える……

 どこで買えばいいか知っていれば。」

 ──ヴィクトール・アッシュフォード私日記 #847


 警告:市内に多数の勢力代表を確認。

 シュタインレイヒ工作員、ルナレス宣教師、身元不明エージェント。

 カイトの存在は長く秘密にはできない。


 深まる謎:

 誰がカイトを召喚したのか?

 なぜ今このタイミングで?

 そしてリサンダー・カインとの関係は?

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運命崩壊の建築士 黒崎一枝 @KazueKuroshi

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