緻密な世界観を開示していく、魅力的な手法に脱帽
- ★★★ Excellent!!!
個人的に、他と比べ圧倒的にレベルの高い作品だと思います。
緻密に構築された世界観は本当に圧巻です。環境や生態、研究のプロセスは現実世界を基準とし(便利な魔法ですべて解決! みたいなのはない)、あくまでも行程のエッセンスとして用いられる魔法という概念への姿勢が本当に素晴らしい。
もちろん、これめっちゃ便利すぎるやん……となるモノもありますが、骨太の情報量と、主人公のリゼットが繰り広げる観察と研究の面白さで納得しちゃいます。
この夢のような世界を、リゼットと一緒に自分も解き明かしていくような、独特のカタルシスがたまりません。カァーッ!
無論、リアルではないです。が、確実にリアリティに富んだ作品です。これは、作者の文体がしっかり硬質なのも大きいです。
一文で伝わる情報量がかなりギッシリなので、たぶん相当な推敲の末に書き上げているのでは……? と勝手に感銘を受けたくらいです。
久しぶりに「続きはよ」と言いたくなった作品でした。