本作を認知したきっかけは、とあるレビューを目にしたからでした。
感動した、涙が出た……おいおい、短編の、しかも異世界ファンタジーなんてシャバいジャンルで、そんなワケないだろう、と傲慢チキな偏見のまま、訝るように目を通しました。
そんな偏見は、丸ごと吹き飛びました。耳までまっ赤になりました。
とにかく、短編として非常に秀逸でした。異世界ファンタジーにありがちなゴテゴテの設定は最小限で、騎士の去り際という哀愁あふれるテーマに沿ったストーリーの世界観を無駄なく構築する、一要素でしかありませんでした。
これだけの文量で、世界への没入感や細やかな心情描写、クライマックスへの丁寧な展開を表現、構築しているのは、本当にすごいと感服しました。舌を巻きました。
ぼくはこのカクヨムに登録したばかりの新参者ですが、この作品を最初に読むことができたのは、幸運でした。
これからも、ぼくはまっ赤な耳のまま、天城らん氏の作品に目を通し続けることになるでしょう。
拝読し終わり「作者様」「この作品を紹介してくださったみちのあかり様」に思わず感謝してしまいました。
そのくらい素晴らしかったです。
いままで拝読したカクヨム様でのファンタジー短編の中でも、一二を争う物でした。
・格調高く静かな文体は、まるで外国文学の佇まいで、読んでてシンプルに「心地良い」と感じるものであり、作品のテーマにも極めて合致していました。
・テーマ性の深さは、読み終わった後に沈黙をしてしまいました。
良い意味の沈黙です。
「秋の騎士」そのような意味合いがあったんだ……
上記を始めとして、まさに「大人のファンタジー文学」と言う感じで、テーマ性・文章の質・構成ともに素晴らしかった✨
全く長さを感じずスルスルと最後まで、夢中になって読みました。
ぜひご一読を強くオススメします。
これは……ファンタジー短編では飛び抜けた質の作品です✨