問いかけはおなじみでも…

昔話の定番を大胆に崩しながら、テンポよく場面が切り替わっていくのが楽しい作品でした。おなじみの問いかけが繰り返されるたびに少しずつ雰囲気が変わっていくのが印象的で、思わず先を読み進めてしまいます。
語り口は軽やかですが、どこか乾いたユーモアがあって、読後には不思議な余韻が残りました。肩の力を抜いて読める一方で、ふと笑いがこぼれるような感覚もあり、この作品ならではの味わいだと思います。