冬の陽だまりの中で呟く。

冬の寒さが身に染みるこの時期に、
陽だまりの温かさを齎す

 蜜柑の 柑子色。

枯草の風に揺れる農道に、忘れられた様に
ポツンと置かれた

  代車の 思色。

冬枯れて寒々とした薄の 枯草色。
   夢想する温かそうな羊の 生成色。

蜜柑、多め。


 美しく枯れた風景と、洒脱なユーモアを
感じる作風。温かい為人と深い感性が
光る、寒い季節の暖かさを識る短歌集。



  忘れ得ぬ、冬の思い出を。