第7話

「はぁ!?その子が契約精霊!!??」

「まぁ、そう言う反応になるか」


あのあと、人目につかない様に移動し、近場にあるカフェに入った。俺の隣にシアが座り、その対面にフライがいる。因みに俺はコーヒーを頼み、シアはホットミルク、フライもホットミルクを頼んだ。うん、少しキモイ。

契約精霊(ナビゲーションピクシーは長いので彼女たちの呼び方に合わせた)に関しては薄々気づいていた。街を移動している時に全然シアの様な精霊を見なかったからだ。


「ちなみに、お前の契約精霊って何?」

「ん、あぁ、帰したんだったな。来いテト」


フライがそう言うと、影の中から黒猫が飛び出してきた。なんかカッコいいな。黒猫とか良いじゃん。


「へぇ、影の中に入れるのか?」

「あぁ、そう言う能力だが、基本的に契約精霊には精霊界ってのがあって、そこに帰ることもできるそうだ。で、必要になった時に呼びかければ出てくるそうだな」

「ほーー……………………チラッ」

「わたしは帰らないわよ?ずっと貴方の側にいるって約束したもの♪」

「………さようか」

「ケッオアツイコトデ」


対面に座ってる奴が怖いのですが。めちゃくちゃ負のオーラが漏れてるのですが。

いつから呪術師になったよ。こんなどうでも良いことで呪われたく無いよ。

ねぇ、シアさん?この人何とか……って猫と戯れてますね。可愛いから今は放置しとくか。


「にしても、この僕がそんな情報を見逃すはずが…………いや、更新されてたわ」

「ん?」

「公式サイト見てみろ。精霊の情報が更新されてる」

「本当だ」


ウィンドウを開いて、公式の情報を見てみる。

なるほど。14の上位精霊………。

俺とフライはゆっくりと戯れている猫と少女を見る。


「なぁ、フライ?」

「なぁ、名七?」

「「お前の精霊、契約の時なんて言った?」」


互いに冷や汗がダラダラと……。

思いっきり書いてあるよ。出ちゃってるよ。

『遊猫のテト』と『慈愛のフィルシア』って。

イラスト付きはアウトでしょ!?


「まぁ、頑張れ」

「お前は他人事みたいに言うが当事者だぜ?」

「テトはすぐに帰えしたから見られてないかもだし……」

「裏切り者!!言いふらしてやる!!」

「あ、こら!やめれ!!」


その後数分間ギャーギャー騒いでいたら店員に叱られました。


閑話休題


「そういや名七、お前リーダーから何か聞いてないか?」

「おん?アイツから?何も聞いてないが」


リーダーとは、プレイヤーネームアルトリウスのことで、【七皇】の創設者にして各ゲームのプレイヤーランキング第一位を取り続けている猛者だ。又は、ゲーム廃人とも言う。


「んじゃ俺から言えってことか。アルトリウスが【七皇】をこっちでも作るってさ。皆んなに呼びかけてたぜ」

「………マジかい」


んじゃあのメンバーが勢揃いしていると……。なんかやだなぁ。何がとは言わないけどやだ。

会いたくねぇ………。ん?メール?誰から?




『差出人:アルトリウス

やぁ、名七。君もこのゲームをやるのはフライ

から聞いてたよ。連絡が遅れたことは謝る。

僕も色々と忙しくてね。それに僕が言わなくて

もフライが誘ってくれるとも思っていたしね。

さて、本題だが、君も【七皇】 に入ってもら

うよ。理由については15時ごろに街の中央にあ

る冒険者ギルドに来てくれ。一緒にいるであろ

うフライと共にね。待ってるよ』




「なぁ、フライ」

「すっごい嫌な予感がするんだが………」

「これ、アルトリウスから」


スッとウィンドウの向きを変えてフライに見せる。


「…………………イヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダ」

「禁断症状出たか………」


まぁ、何故こんなに俺らが嫌がるかと言うと、俺らが非リアでアイツらがリア充だからだ。

これ以上は語りたく無い。

見れば分かる。見ればな。

非リア諸君は覚悟しとけ。

アイツらはヤバいから。


現実逃避の為に俺とフライは未だな猫と戯れている美少女を眺めて心の傷を癒すのだった。




………まぁ、会わないといけないけどね。




–––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––


話変わるけどヒメヒナの「テト」はいいぞ。

そして猫は可愛い。異論は認めん。

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Planetes stories 〜綴られた星々の記憶〜 夜ノ音 @as3sh3ertyu

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