SF小説を書くという事

無沙(むさ)

サイエンスフィクション

 ちょっと連載の方に疲れてきたのでSFと言うものの考察をしてみようと思う。


 今私が連載と言う形で執筆している「サキュバス」の話はSFである。と、本人は思っている。


 一般的には「サキュバス」は神話に出てくる悪魔のようなものであり、実在はしていない。

 日本語にすれば「淫魔」になり、ゲームや小説で男を誘惑するエロい生き物なので、アダルト要素たっぷりの存在になる。

 ファンタジーならばそのままそれでいいのだが、SFだとそうはいかなくなる。


 SFはサイエンスフィクションであり空想科学なのでそこに生物学的な考証を加えることになる。

 何を馬鹿なとおっしゃる方が多いと思うが、それがSFであり、SF作家たるもの、そこの考証に時間を掛けなければいられない、だってそこが一番面白いのだから。


 そこで「サキュバス」にも生物学的な考察が入る。

 なぜ男を襲うのか。あんな小さな翼でどうやって空を飛ばそうか? 女として生理はあるんだろうか? 子育ては? 社会生活はどうなっていて、社会保障はどうなっているのか。

 無駄なことだと思われるかもしれないが、SFだとそれが必要なのだ。


 おそらくそこがファンタジー作家との大きな違いだと思われる。

 ファンタジーであればそんなことは考える必要は無い。魔法は魔法だし、そういう物としいてそれを使った楽しい話を考えることに全力を注ぐ。魔力が尽きるまで魔法をぶっ放してかっこよく決めれば読者も納得してくれる。


 しかしSFであればそうないかない。魔法? それってどういう原理で、どういうエネルギーをどこから調達するのだ?

 当然それだけのエネルギーを出すためには発生させるための受け皿の強度も考えなければならない。それが出来ていないと、何だその適当な設定は! と来る。


 そのためSFを作家たるものはそのあたりの設定をこれでもかと作り上げる。

 世界を創造する神になるのだ。


 まあ、ここまで書いてしまうと、SFってそんな厄介なジャンルなのかとなってしまうかもしれないが、実際にはそこまで厳密なのは、ハードSFと呼ばれるジャンルで、普通の人が知らない科学知識を総動員した理論武装したジャンルになってしまう。

 一部の学者さんが書くSFで、日本にはそんな作家はあまり居ない。

 居ても売れないからという理由もあるだろう。


 わたしも科学知識は貧弱なので、残念ながらソフトSFしか書けない。

 それでも自分の中で出来るだけリアルで矛盾のない世界を作りたいと思って作品を書いている。


「サキュバス」の話が終わったら、次は「ダンジョン」の話を書いてみたいと思っている。

 自分なりに出来るだけ「リアル」なダンジョンが完成したら至福である。


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