NTR~寝取った方の男女

ロキ-M

寝取り男と寝盗られ女

「嘘だ・・嘘だァァァ・・」


ダダダ・・


「・・・良いのか?追わなくて。」


「うん・・もう手遅れ、何もかもが。」


「俺が言うのもなんだが・・まさかホテルから出てきた所で鉢合わせ、とはな。」


「これが創作の話なら・・後日私たちは人生転落、彼は新しい美少女と幸せに・・なんでしょうね。」


「結婚間近の幼なじみの親友の彼女をクリスマスの夜に寝取りしたんだ、何が起きても仕方がない。嘘かホントかは知らんが、あいつの両親は略奪愛の末に結婚したんだろ?本当にそうなら親のツケを子供が払う羽目になったのは悪りぃが。けどこの先、俺はどうなろうと後悔はないが・・お前はどうするんだ?元には戻れんぞ。」


「私も同罪よ・・彼に私を愛して欲しいとお願いしたのに

『万が一があれば責任もある。結婚するまでは抱きたくない』

って抱いてくれなかった。だから貴方の誘いに乗って抱かれた訳だし。」


「それを感謝すべきか・・謝罪すべきか。」


「・・ただ、誰でも良い訳じゃなかったわよ。貴方だから・・敢えて食事の時にアルコールを入れて不安や弱み、愚痴を聞いてもらって、こうなる様に誘導したんだから。けど、あんなに何度も激しく愛されるとは予想外だったわ。おかげで全身がガタガタよ。」


コホ・・


「仕方ないだろ。お前は俺の・・憧れだったんだから。ずっと・・好きだった。あんな弱みを見せられて、不満や不安を聞かされたら・・」


「だからって・・こんな趣味全開の部屋選んで。ランドセル背負わせたり幼稚園児の制服を着せるわ・・その挙句、じっくり鑑賞を楽しんだ後からは唇以外の全ての場所にキスしちゃうんだもん。貴方からの想いを受ける女の子の身にもなってよね?こっちはどれだけ恥ずかしかったか分かる?」


ゴホッ・・


「そうは言うが・・恥ずかしがりながらも、軽く拒否る素振りしかして無かったか?俺の事。」


「そうね。その方が男の子は嬉しいんでしょ?私のサービスに感謝してね。」


「唇だけは意地でもキスさせてくれなかったがな。お前の全てを奪い尽くしたかったが・・あの抵抗だけはせめてもの義理立てか?」


「違うわ」


ゴホゴホ


ツー・・


「さっきから大丈夫か?って、お前、ちょっと待て!口から血が・・」


「寝取った相手と血の味のするキスなんて・・したくなかったでしょ?」


「喋るな!」


「もう手遅れ、私はもうすぐ死んじゃうの。だから伝えたい事は・・全部・・伝えさせて。」


「おま・・」


「ごめん、座らせて」


「・・何か・・あっちに公園がある。悪いが抱えるぞ?」


「へ?キャッ・・」


「・・軽いな・・とりあえず座れるか?」


「ベンチの上だとお尻冷たくなるから・・そのまま座って。」


「お姫様抱っこのままで俺に座れと?」


「・・ごめん、それだと私の血で服を汚しちゃうね。」


「構わん、じゃ・・座るぞ」


ストン


「ありがと・・私の彼への想いに嘘はないわ、じゃないと結婚なんて考えられない。けど・・物心ついた時の初恋の相手は貴方だった。ずっと貴方が好きだったの。それも本当・・」


「・・・」


「彼の事は嫌いでは無かったけど、あくまでも幼なじみの延長線。恋ではなく幼なじみの友情として。ずっと貴方を見て想っていたから、彼と付き合うなんて考えもしなかった。覚えてる?私が彼から告白された時の事。」


「あぁ・・あの日は悔しくて寝れなかったからな。」


「貴方と彼と3人でいたあの日・・いきなり告白されたのよね。本当はごめんなさいって言うつもりが・・貴方がお似合いだって言うから、その流れで付き合う事になって。」


「あの時は・・3人の関係を壊したく無かったからな。今じゃ後悔してる」


「私も。あの時は少し時間が過ぎたら穏便に別れて、いつか貴方に告白するつもりだった。けど・・彼の気持ちは本当に真っ直ぐ・・ゴホッ・・」


「もういい、喋るな!」


「私の事、好きなら・・私の最後のお願い・・全部聞いて。」


「馬鹿野郎・・」


「そうだね。」


「こんな時に最高の笑顔しあがって・・」


「ごめん、喋るの辛いからどんどん話すね。彼の真っ直ぐな気持ちを受け続けてたら、いつの間にか私は彼の気持ちを受け入れる様になってた。だからこのまま添い遂げても後悔はないと思ってた。けど・・」


「・・・」


「私には時間が無かった。単なる体調不良かと思って病院に行ったら・・まさかの余命宣告受けちゃったからね。その時でさえ激しい運動を控えて安静にして半年、けど彼と入籍も半年先。正直に話してしまえば、彼はきっと入院生活させた思う。けど・・私は段々と弱りながら、細く長く刺激のないまま死んでいくのは嫌だった。そして・・」


「?」


「男性の身体を知らずに死にたくなったの。」


「おま・・」


「そういう話、男の子の特権じゃないよ?私も興味津々で・・本や動画で色々勉強したから。」


「・・・そういう事か。」


「手慣れてて初めての様に見えないって思ってたでしょ?こんなロリっ子スタイルなのに、もしかして経験豊富だと思った?」


「返事に困る・・」


「すっごい顔しながら愛してくれた癖に。身体は正直だったわよ。」


「だからその笑顔・・」


「好きな人には一番の笑顔が見せたいから、ね。だから彼には病気の事は言わず、単に愛して欲しいとだけ言ったら」


「拒否られたか。」


「うん・・そして貴方がえっちな目で私を見てるのは気付いてた。だから隙を見せたら奪ってくれるかな?思って。」


「・・バレバレか。」


「2人共・・チビで上も下もぺったんこ、成人式過ぎても小学生に間違えられる私の身体に興味津々なんだから。もしかして・・」


「悪かったな!」


「こんな話、幼なじみの男2人をからかいながらがもう出来ないんだね。」


「俺の責任でな。」


「ごめんね、貴方に色々押し付けて先に逝っちゃって。」


「構わないさ、後は任せろ。俺があいつに恨まれれば・・あいつはお前の後を追う事はないだろ。」


「彼からの好きの気持ちは付き合い始めてからずっと、貴方からは物理的な愛は今日1日で何度も受け入れた。ごめんね、連れて行っちゃうから顔は見せてあげらんないけど。」


「俺の代わりに二人で天国で幸せになってくれ。俺は地獄への指定席切符だからな。」


「天国へは子供だけで良い。私は貴方に付き合うわ。」


「あいつが天国に来た時はどうするんだ?」


「身体がある内は彼と共に。だけどその後は貴方と一緒に地獄に堕ちて、彼と・・貴方にも私への気持ちを利用した事の償いさせて。許される日は来ないけどね。」


「バーカ。好きな女を連れて行けるか。好きだからこそ・・背負わせろ。俺はお前の分まで誰からも罵詈雑言を浴び、あいつの生きる糧になる様、生き恥を晒して生きてやる。」


「・・ごめん、私もう起きてるのが辛くなってきた・・」


「もういい、ゆっくり休め。」


「うん・・」


「だが最後に一言だけ聞いてくれ。」


「・・私も・・」


「「ありがとう」」


ガクッ


「・・・満足そうな顔しあがって・・」


ぽつ


ぽつぽつ・・


ぽつぽつぽつ・・


ザーーーー!!!!


「この雨は・・寝盗られたあいつの涙か、大事な物を失った俺の心が泣いてるのか・・こいつの罪の意識からのなのか・・叶うなら何もかも全て洗い流して欲しいもんだ。」

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