「愛」を定義しようとしながら、その不可能性に何度も立ち戻る語りが印象的でした。確信と疑念が交互に浮かび、読み進めるほどに思考そのものが揺さぶられていきます。正解を示さないまま、問いを手放さずに差し出す姿勢がこの文章の核であり、読者それぞれの仮想現実を自然と呼び起こします。考えることそのものに意味があると、静かに肯定してくれる一篇でした。
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