Life Goes On - 壊れた星の下で

第4話 夜の決意

「きっと…朝はやって来る。」

陽が沈み、街に夜の帳が降り始める。ハルキは荒れ果てたビルの屋上に立って、薄暗い街並みを見下ろしていた。空には重い雲が垂れこめ、星の光は見えない。

かつては光にあふれていた街も、今ではまるで生気を失ったように静まり返っている。僅かな風がハルキの頬を撫でる、そして冷たく彼の身体を包んでいく。

彼は手すりにもたれながら、遠くに見えるビル群の廃墟をじっと見つめていた。昼間は少しの食料を確保できたが、それがいつまで持つか分からない。明日もまた、食料を探さなければならないだろう。生き延びるためには、何かを見つけて持ち帰るしかない。それが彼の日常だった。

ハルキの心の中には、暗い不安と重い疲労が押し寄せてくる。

明日がどうなるか、どんな危険が待ち受けているのか分からない。だが、彼はまだ諦めない。今日も生き延びた。そして明日も生き延びるために、前へ踏み出すしかない。

「こんな場所で終わりたくない」

彼は小さく呟き、握りしめた拳を見つめる。その拳は細く力も弱いが、彼の中には強い意志が宿っていた。いつか、ここを出て、もっと希望のある場所に行く。今はそれだけを支えにして、この街での厳しい生活に耐え続けている。

夜風が一層冷たくなり、ハルキは体を縮めて足元のスニーカーに視線を落とした。泥まみれで擦り切れた靴は、彼が歩んできた過酷な道を物語っている。何度もくじけそうになりながらも、彼は歩き続けてきた。

「まだ、終わっていない。オレには未来がある」

いま彼は、消えかかる希望の光でさえ掴もうとする、己の強い意志を信じていた。廃墟となった街を見渡すその視線の先には、いつか辿り着くかもしれない未来が広がっている。希望を失えば、すべてが終わってしまう。

彼はそれだけは決して手放さないと決めていた。

ハルキは屋上を後にし、階段をゆっくりと降り始めた。明日の計画を練りながら、彼は何をすべきか考えている。食料を探すためのルート、避けるべき危険な場所、そしてもし手に入れることができたなら、次にどこへ向かうか。それはまだ漠然としているが、彼には一つの目標があった。いずれ、この街を抜け出し、希望の光が射す場所へたどり着くこと。

冷たい夜が更ける中、ハルキは決意を新たにしながら、その一歩を踏み出した。未来を見据え、彼は明日という日を迎えるために準備を整える。そしてまた、新しい一日が始まることを胸に刻みながら、静かな夜の中で眠りについた。

「きっと…朝はやって来る。」

(第1章 荒廃した街の朝 -完-)