超最強の麻雀大会

ますー

第1話

「さあ始まりました! 地球で一番麻雀が強いヤツを決める最強の大会です! 実況は私、高橋が務めさせていただきます。そして解説の」

「ゴードンEXです。」

「よろしくお願いします。」

「はい。」


 実況と解説の紹介が終わり、早速画面に卓が映し出される。


 座っている四人の紹介。


「東家の最初の親は吉田氏。数々の戦いで相手を殺してきた男です。通称キラーッ!」


 吉田が画面に映る。片目を隠してるイケメン男である。


「続いて南家のウルトラソウル氏。彼はあらゆる理を無視し己の信念だけで麻雀を打つ男です。この一局戦でどのようなプレイを見せるのか!」


 この最強の大会は、東風でも半荘でもなく、一局戦である。


「そして西家の森野氏。今までのどの戦いにも出場していない。実力は未知数ですッ!」

「纏っているオーラは初心者そのもののように見えますね。爪を隠しているのでしょう。」


 解説のゴードンがそう言う。


「そして北家の最強魔王氏! 彼もまた実力は未知数です! 身長がクソデカいので相手の牌を盗み見ることも厭わないッ!」

「なるほど。なかなかの曲者揃いですね。」


 かくして、ついに天下分け目の一局戦が始まったッッッ!!


 東家吉田。打、六索。


「おぉっと! 早くも普通じゃない打牌だ! これは期待できますッ!」


 高橋の実況が轟く。


「ポンッ!」


 ここで北家の最強魔王が六索を鳴いた。そして打、二萬。


「おっと? 最強魔王氏の手配を見る感じだと、白發中を対子で持っています! これは大三元が狙える手ですねぇ!」

「いえ、魔王はおそらくダブル役満を狙っていますね。」

「と、言いますと?」

「彼は八索と四索と三索を一枚ずつ持っています。これはおそらく『大三元緑一色』の構えでしょう。」


 そうッ! 魔王は虎視眈々と狙っていたッ! 大三元緑一色をッッッ!!


 そして再び東家吉田。打、二索。


「チーッッッ!!」


 北家の最強魔王が再び鳴いたッ!


「おぉっとすかさず下家からのチー! これは魔王の独壇場だーッ!」

「クックック……」


 魔王は不敵に笑っている。そして魔王、打、二筒。


「ポン。」


 西家の森野が二筒をポン。


「なるほど。二筒をポン。手配は筒子が多いですねぇ。これは一体、何を狙っているのでしょうか。」

「なかなか興味深いプレイですねぇ。これはただの混一色ではなく、おそらくローカル役満『黒一色』を狙っているのでしょう。」

「黒一色……」


 二、四、八筒と、東南西北。すなわち黒い牌のみで構成されたアガリを、ローカル役満で黒一色という。


「まあこのルールではローカル役は採用していないので、気合いは32000ということですね。」

「なるほど。」


 戦いは二巡目にして苛烈を極めていた。そして西家森野。打、七索。


「カンッ!」


 ここで全くノータッチだった南家、ウルトラソウル氏が七索をカンした。


「これは? 役が無いようですが……」


 面前手を捨てた、強気なカンに、その場にいた三人も怪しい雰囲気を感じ取っていた。


「ッ! これはッッ!」


 ソウルは次の瞬間! 驚きの行動に出たッ!


 なんと明カンした七索を、暗カン扱いにして裏返したのであるッッ!


「ソウルはまだ面前を捨てていないッ!」


 実況高橋の興奮冷めやらず、次の行動もとてつもないものだった。


 ソウル、打、中。


「何ッ! 他の不要牌ではなく、わざわざ対子で持っていた中を捨てただと!? これは一体どういうことだ!? そんなことをしたら……」


 そう。他にも中を対子で持っているプレイヤーがいる。


「ポン。」


 大三元緑一色を目指す魔王が、中を鳴いた!


 中を対子で持っていれば、魔王の大三元は一生上がれなかった。なのに、ソウルはわざわざ捨ててしまったのだ。


 謎プレイに困惑する実況一同だったが……


「カンンンッッ!!」


 なんと! ソウルはあと一枚の中を場に叩きつけて、ポンされた中を取り返したァアァアア!!


「なんと!! 超次元大明カンが繰り出された! ソウル氏、早くも二槓子です!」


 当然これも暗カン扱いである。


「間違いないですね。これは四槓子・四暗刻のダブル役満を狙っています。さらに今の大暗カンによって、最強魔王の大三元は無くなりました。魔王は緑一色のシングル役満を狙うしかなくなったッ!」

「魔王は、対子で持っている白を誰かに押し付けたいところですね。」


 魔王は頭を悩ませている。今のでソウルの手を二つも進めてしまった。しかもソウルは一萬、六筒の対子を持っている。つまり、四暗刻の種は完成しているのだ。


「これはすごい戦いですッ! 一体どうなるんだッ!?」


 そして、西家森野。打、白。


「チーッッ!!」


 対面の東家、吉田がチーを発した。白を奪い取る。


 吉田がやったのは、白・白・發のチーである。対面からの超次元チーにより、最強魔王の大三元は完全に潰えた。


「これは……どういったプレイングでしょうか。」

「このチーは鳴き国士無双をしようとしていますね。しかし、中はすでにカンをされています。国士は絶望的のようですが……。」

 

 そして吉田は、驚くべき行動にでた。


 なんとッッ! 下家のウルトラソウルの中の槓子から、一枚を抜き取ったのだッ!


「おぉっとッッ! 喰い変えだあぁアァアアア!!」


 そう! 中と白を喰い変えて、白發中のチーが完成したのであるッ!


「と、とてつもない戦いだ……! 魔王は緑一色、吉田は鳴き国士、ソウルは四槓子四暗刻! この一局戦、どうなるか分からないぞォオ!」


 そして吉田。打、赤五筒。


「ロン。」

「ッッッ!」

「ッッッッッ!」

「なにィイッッッ!?」


 和了ったのは、西家の森野である。倒牌。


 222筒(鳴)、西西西、456萬、88筒(頭)、34筒(25筒待ち)。


「えーっと、西ドラ一で、二翻ですっ! あと符が……、えーっと。」


 森野は符計算で悩んでいる。そこで魔王が


「り、二飜三十符だな。」


 と教えてやる。子の二飜三十符は二千点である。


「あっ、ありがとうございます! 魔王さん、お優しいんですねっ」


 四人の中で唯一の女性雀士、森野の微笑みが放たれる。


「あ、あぁ、いいってことよ!」


 魔王、吉田、ソウルは思わず顔を赤らめた。森野は可愛い。


「決着だアァアアア!! 森野の二千点が突き刺さるッ! 可愛いので二千は三十二万点だあぁああッッッ!」


 森野の十倍役満により、最強の麻雀大会は幕を閉じたのだった。

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