第2話

〈朱里〉

親が嫌い。大嫌いだ。妹にはきつく当たって私には優しくする、そんな親が大嫌い。

なんでそんなことをするのだろう。人間は皆平等に接されるべきだと思う。そうでなきゃいじめも無くならない。だから私の親は可笑しい。ほんっとうに可笑しいよ。あれ?あれは茜?なんでみんな茜を避けているの?みんな茜が嫌い?私の友達なのに。大切な親友なのに。みーんな私には優しく接してくれる。でも、茜には接してもくれないんだね。やっぱりみんな私の親と一緒。だから私はこう思うの、平等に人を接しない人は死刑になればいいんじゃないかって。そうすれば、いじめも無くなるんじゃないかって。自分でも可笑しいと思う。でも乾いた笑いが出るんだ。

気づいたら私は茜に話しかけていた。

「茜!一緒に帰らない?茜が良かったらいいんだけど?!」

やってしまった。こんな急に話しかけて閉まったら引かれちゃうんじゃないかな。

「い、いやです。」

やっぱり、そうなるよね。

私なんかが話しかけても。そうなるよね。

ごめんね茜。

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醜い私を救って。 きのこ。 @enokitakenoko0630

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