大正東京の匂い、紙芝居のようにめくれる〈引き札〉の幻術の世界観が引き込まれます。そして警視・片桐と幻術師・灯十間炉の張りつめた関係も良かったです。特に、接吻(キス)を合図にして幻術を浸透/解除させる演出が見事でした。由利羽の無邪気さも効いていて、凛としているけど愛らしいヒロインとして物語を引き立てていると感じました。大正の時代の色×知略バトル×ロマンス の三拍子が揃っていて、和風ファンタジーが好きな方には特におすすめです♪
大正政変の舞台裏で、『名』と『命』に縛られて演じていたのは主人公自身だった様に思える。又きっと幕が開け、次の舞台が始まることを楽しみにしています。
美しくも静謐な余韻のある最終話でした。積み重ねてきた幻想と歴史、忠義と幻術のすべてが、まるで花びらのように散り、静かに幕を閉じていくかのようでした。大正の空気を纏った筆致が見事で、最後まで世界観に浸りながら楽しませていただきました✨