とんでもない策士がいたもんですな……。
AIの育成は、とにかくインプットの繰り返しなのだそうです。
ですので、なんでも食わせるのだそうですな。AIに。
最近では、AIに小説を書かせてみたり、音楽を作らせてみたり、絵を描かせてみたり、動画を編集させてみたりと。とんでもない時代を生きているなあと感じます。
この界隈でも他人事じゃありませんで、AIに書かせたものがPVを稼いでいるようでして。
この物語も、そんなAIが台頭している世界線のようでございます。
私、なんかAIが書くものって漏れなく同一人物が書いたもののように見えるんですよ。
まあそりゃあそうですよね。
AIがインプットしたものも、AIが書いたもの。こんな時代になっていきますよね。
こちらの物語の世界では公募も減っているのだそうです。
サイトで小説を書いていた人間は、AI禁止のサイトに移動をし、コンテストも開かれないのだとか。
そんな中、主人公が手に取った小説は、なんだか様子のおかしいものでございました。
それは、なんともモッフモフした、『毛色の違う何か』でして……。
しかもそれがジャンルの垣根を越えて、多岐にわたってモッフモフなそうなのですな。
これは一体、どうしてこんなものを書いたのか……?
理解できぬ主人公。そして、謎が謎を呼び……
ついに『ソレ』が起きてしまうと。こういうお話にございます。
この発想はなかったですなー。
作家先生の、未来を読む力というか……
ありそうな面白おかしい未来を描く能力に脱帽いたします。
お勧めいたします!
ぜひ、ご一読を。
これはとっても胸がすく……!
現在のWEB小説界隈に蔓延している問題。生成AIによる小説が溢れかえるという現状。
本作では、その問題があまりにも悪化した結果、WEBサイトのコンテストは中止になり、熱意のある書き手や読み手は「AI小説禁止」のサイトに移ってしまうという状況が出来上がっています。
そんな過疎となった小説サイトの中で、主人公は奇妙な作品と出会う。それは「タヌキ」がやたらと出てくるもの。
異世界のテンプレだけでなく、ホラーやミステリーやなぜかエッセイまで、ひたすらタヌキタヌキタヌキ……。
そんな奇妙なタヌキ小説を読み終えた後、世の中では妙な動きが起きることに。
なぜかここ数日、SNSの界隈でもやたら「タヌキ」で溢れかえっている。なぜタヌキなのか。可愛いからいいのだけれど、なぜタヌキなのか!(大事なことなので二度記載)。
そしてもう一つ、AIによる無断学習の問題に対抗するために開発されたというニュースについて。そんな時事ネタを取り入れつつ、昨今のAI問題に鋭く切り込んだ作品。
AI小説の大量投下の話などを聞き、モヤモヤとした気持ちを味わっている人たちも少なくはないはず。そんな想いを持つ方なら、読めばきっと胸がすくことになるでしょう。