第3話
あれから先に進んでみると、そこには狼がいた。
(でかいな...)
自分の大きさだと見上げるほどの大きさである。近づきたくはない。
(...だが...折角だ。ステータスを見る限り、妖術とやらがあるのだから使ってみたい。問題はどうやって使うかだが...)
そのように考えているとステータスが目の前に出てきた。
[見を発動]
なぜかそんな言葉が頭をよぎった。
妖術(□):MPを使用し、相手に□を与える。また、□の状態を変更することも可能。
(なにも分からない...まぁ、分かった、というより感じただけだが、「見」という特技はどうやら見たいと思ったものの状態?説明?が見れるものらしい。考えたら自分のMPとかも見れるのか?自分を見ることを意識してみよう。)
名前:
位階:1
称号:□を知りし者
種族:□□の怪異
状態:思考鈍化[異常] 封印(猫)[異常] 不確定存在[異常]
特技:妖術(□) 妖術(□) 見
□□:□□□□ □□
(同じものが出てきたんだが...私はMPが知りたいというのに...先のほうにいる狼を見てみたらどうだろうか)
HP:300
MP:120
レベル:8
種族:マジックウルフ
状態:
特技:エンチャント(爪)
(ゲームで見るようなステータスであるな...自分の状態が見れないのはなかなか困るが...それにしてもレベル8か...強めの序盤の敵という感じだな...)
周囲に他の敵影はなく、この個体だけが孤立している状態のようだ。
(レベルがあるのなら折角だ。倒してみたい。問題は...どうやって戦うかだが...)
妖術(□):相手を害すると強く念じれば発動。相手の□に異常をきたす症状が発現する。
(見が発動したな。害する...倒す倒す倒す倒す...)
そのように考えているといきなり狼が苦しみだした。
(発動したのだろうか)
HP:23
MP:10
レベル:8
種族:マジックウルフ
状態:毒(不明)、病気(不明)、蝕呪
特技:エンチャント(爪)
(ちょっと待て!苦しみ始めてからまだ数秒だぞ!もう瀕死じゃないか!なんだ?私は強いのか?)
そして狼は倒れた。なかなか動物のこういう姿を見るのは...と以前の私なら思っていただろうが、何故か何とも思わない。不思議だ。
(そういえば、私のレベルはどうなった?)
結果から言おう。なにも変わらなかった。
(というより位階ってなんだ?レベルの項目がないぞ。)
しかし、その様なことを考えてもどうにもならないと思い、先に進んでみることにした。
進んだ先にいたのは二足歩行の豚のような生物であった。
HP:400
MP:100
レベル:9
種族:オーク
状態:
特技:強撃
(凄くでかい。飼い主よりもでかい。流石にこれは...今日はこのくらいで家に帰るとしよう。)
流石に日和った。自分の体は子猫ほどの大きさであるのに対して、あの大きさと対峙するのは折角のニャン生を無駄にすることになるだろう。
現代ダンジョン社会で猫転生。 灰かぶりスシ @grayhenjin
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