残月
一閃
第1話
朝 目を覚まして窓を開けた
秋の少し冷たい風が吹き
澄みきった薄水色の空が広がっていた
そして
昨夜の十六夜の月が真白くぽっかりと浮かんでいた
満ち時を過ぎ 夜の闇ではなく薄水色に浮かぶ残月は
時も場所も形も色も
いつもの 月とは違う印象だ
『時も場所も姿形も関係ないよ』と言ってるかのようで
どこか
『そっか…
『らしければいいんだよ』
『らしい?』
『自分らしいってこと』
『自分らしいか…それが難しいんだけどね』と笑ってみせた
あわただしく部屋を出て空を見上げると
当たり前に 残月は居なかった
『当たり前に…自分らしく 潔くか…』
『そんな自分になりたけどね…』
少し皮肉っぽく言ってみたけど
そうでありたいとは いつもどこかで思っているのも
残月 一閃 @tdngai1
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます