第4話 石の生まれ変わり
何年か時が経っても
男は相変わら地道に暮らしてた
畑で作業をしていると遠くから
人が近づいてくる
ずいぶんと綺麗なおなごの様だ
段々近づいてきて
自分の家に向かって歩いている事がわかった
「こんにちは」おなごは男に話しかけてきた
「こんにちは」まじめな男は丁寧に挨拶した
「以前あなた様に、救って頂いたお礼をしに来ました」
「はて?誰とも接していない自分が、人を救ったことなどあっただろうか?」
おなごは畑の仕事を手伝うと
男の部屋を掃除し、風呂に入った男の背中を流し
料理までこさえて食べさせた
「こんな、うまい料理を食うのは初めてだ」
おなごにすっかり心を奪われた男は
「ずっとここにいてくれ。おいらの嫁さんになってくれ」
と求婚し、おなごも受け入れた
「私を救ってくれた方のお嫁になれるなんて幸せです」
おなごははにかみながら答えた
「それにしてもおいらが救ったって何のお話だい?」
「わからないのも無理はございません。何年も前の話ですから」
「私は森深くの河原で出会った石です」
「思い出した!あの時の石殿だったとは」
「あなたが金槌で砕いてくれたおかげで私は生まれ変わることができたのです」
「まさか、あの石殿が、こんな素敵なおなごに生まれ変わるとは」
男はなんとか状況を理解し受け入れた
「石殿のおかげで、おいらはもう一度やり直すことができました。言ってみたら石殿は命の恩人です」
ざっくり ざっくり ざっくりこ
桑でたがやし 野良仕事
ざっくり ざっくり ざっくりこ
ふたり畑で 野良仕事
お互いに感謝の気持ちをもった二人は
まじめに仕事をこなし
末永く幸せに暮らしました。
めでたし めでたし
石と男 @MK98
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