ある百合が咲くまで

徒桜

第1話

私の名前は愛澤花恋!高校1年生!中学生の頃は地味だったから高校では高校デビューして楽しい青春ライフを送るぞ!


そんなことを考えて2年が経った……

「……全然楽しい青春ライフを送れてないよー!てかもう2年経ったの?!私もう3年生だよ?!」

放課後、学校の屋上で1人叫ぶ

「しかも友達も1人もできない!もー何がいけなかったの!もしかして最初の自己紹介が良くなかったのかな?!でも私なりにあれ結構傑作だったんだけどな〜」

独り言を喋っていると屋上の入口のドアが開く

「あ、やばい隠れなちゃ!」

とっさに屋上にあるうさぎ小屋の後ろに隠れる

「でもこんな時間に誰だろう?」

少し気になり少しだけ顔を出してみるとそこには学年いや学校で王子様といわれている人気者の蒼崎蓮がいた

(あれって蒼崎さんだよね?)

見ていると蓮がこちらへ向かってくるのを確認して慌てて再び隠れる。

蓮はうさぎ小屋の前にしゃがみうさぎに喋りかけるように喋る

「ふふ……今日も可愛いな……ねぇ、聞いてよ僕皆から王子様王子様って言われるのもうそろそろしんどくなってきちゃったんだよね、本当は僕もっと可愛くなりたいのに……」

その時花恋は手を滑らせてカバンを落としてしまう

(しまった!)

「誰かいるの?!」

(ど、どうしよう素直に出て謝る?!それともダッシュで逃げる?!で、でもそんなことしたら聞かれた腹いせに私のありもしない噂流されてさらに孤立しちゃうかも!)

蓮が音のした方に歩き始める

(あ、謝るしかない!)

花恋はあわてて蓮の前に出て謝る

「ご、ごめんなさい!わざとじゃないんです!」

蓮はびっくりしてその場に止まる

「びっくりしたほんとに人いるとは思わかなったよ……」

少しの沈黙の後蓮が口を開く

「聞こえてたかな?」

蓮が少し苦笑いしながら言う

「え、えっと……はい……」

(ど、どうしよう!絶対怒ってるよこれ!こ、こうなったら逃げるしかない!)

「お、怒ってますよね!本当にすいませんでした!」

花恋は叫びながら謝罪すると猛ダッシュで屋上の扉を開けて出ていく

「あ、別に怒ってないのに……あれ学生書落としてる……愛澤花恋さんっていうんだ……なんだか変わった人だったな……明日喋りかけてみようかな」


翌日

「はぁ、昨日は災難だったな……」

クラスメイトが仲良く喋っている中花恋はうつ伏せをして寝ているふりをしていると周りがうるさくなりチラ見するとそこには蓮がいた

(な、なんで蒼崎さんがいるの?!き、昨日の件で私に?!もしかしてわ、私殴られて脅されるんじゃ?!い、いやいやこ流石に無い無い!そもそも私の事なんてもう忘れてるはず!)

蓮は周りに群がる生徒を落ち着かせながら生徒に質問する

「ごめんこのクラスに愛澤さんっているかな?」

「え、愛澤?えーっとそんなヤツいたっけ?」

「愛澤……愛澤……あーあそこで寝てるやつじゃない?」

「居た、ありがとう教えてくれてまたね」

「きゃー蓮様が私にまたねって!」

「何言ってるのよ私に言ったのよ!」

騒いでる生徒2人から離れて花恋の机の前に立つ

「ねぇ、愛澤さん寝てる?起きてたら少しいいかな?」

(嘘!嘘!どうしようここで寝たふりして無視する?!でもそんなことしたら周りの生徒たちに白い目で見られそう!それは嫌だ!)

「う、うん起きてます……そ、その私に何か用ですか?」

花恋は机から顔を上げる

(あれ、昨日はその場から逃げたすぎて見てなかったけど近くで見ると蒼崎さんってめちゃくちゃイケメン……)

花恋の頬が少し赤くなる

「ごめんね少しだけいいかな?人気のないところで少し喋りたいな」

「わ、わかりました」

(あ、これ私死んだな)

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