【前置き】
僕、基本的にレビューでは豊富な語彙力をお出しするようにしてるんですが、今回は上手くいかなかったので、この作品にも出てくる共感覚でレビューします。雰囲気で察してください。わかんなかったら読んでください。
【レビュー】
とても良いカラーでした! クリーム色に少し黄緑を足したようなそんな色で提供される文章です。イメージ的にはアロエの食べる部分とか、陽光に照らされた鈴蘭とかのイメージが近いですかね。とにかく、マイルドでパステルな本文に対し、登場するお客さんの青色のキャラクターが映えます。とても良い。
ここでオレンジとか紫系の原色カラーのキャラが出てきたら「あっ……」って感じになっちゃうんですが、絶妙なカラー選択だと思いました。人間的な奥ゆかしさのある、記号的じゃないキャラなのです。登場人物どっちも。
賞に応募しているということで、連載という形式になったら他のカラーのお客さんをどう捌いていくのか楽しみですね
【最後に】
訳分からんレビューやなあと思ったらとりあえず読んでください。大事なことなので2回言いました()
冬の空気を纏うような、静かで澄んだ掌編。
声の色を“見る”という共感覚が、心理描写の代わりに情景を染め、
登場人物の感情が色彩として読者の心に届く。
古民家の柱や時計の音、焙煎豆の香り——それらは都市のざわめきの中で
ひとときだけ立ち止まる“渚”のような場所をつくり出す。
魔女であり喫茶店主である渚は、
現実と小さな奇跡の境に立つ静かな観測者。
彼女の一言「それは魔法だったのかしら」が、
日常の片隅に残る奇跡の余韻として美しく響く。
派手な出来事はないのに、読後には心が満たされる——
まさに、都会の中にひそむ小さな癒しの波打ち際を描いた物語。