静穏な、しかし確かに色づく不思議な世界
- ★★★ Excellent!!!
この感覚に名前があることを知らない思春期のころ、私は音楽を聴くときに色を感じることがありました。
本作はその記憶を呼び覚ましてくれました。
人の心が色として見えるという、音楽よりもさらに身近なものがトリガーとなっている彼女の感覚では、きっと世界の色彩が普通の人よりも鮮やかに見えているのでしょう。
彼女の不思議な感覚は、なんでもない日常にこそドラマがあると可視化して教えてくれるのかもしれません。
今日、喫茶店に訪れる人はどんな人でどんな色を発するのだろう――
静かに、しかし確かに色を感じるこの物語に触れてみてください。