未来を映す窓
猫LOVE
君が見る景色は、未来からの「大丈夫」
ユウキはいつもの休憩室からいつもの灰色の街を見ていた。
しかし、ふと目に留まったのは見慣れない『色のついた看板』だった。
昨日はなかったはずだ。
ユウキは気に掛けることもなくコーヒーをすする。だが景色の中の違和感を感じていた。
古いビルが新しいガラス張りの建物に変わっている、見慣れた店が別の業態になっている。
ユウキは、その景色を「避けたい未来」だと最初は怖がるが、やがてその景色の中に**「自分自身が成功しているらしい断片」**を見つける。
高級そうなマンションの一室に、自分にそっくりの人物が自信に満ちた顔で立っていた。
ユウキは、その「未来の自分」に近づくために、今の生活を変える決意をする。
だが、その人物は、未来のユウキではない。 疲弊したユウキの隣の部屋に住んでいた、病気で希望を失っていた隣人の未来の姿だった。ユウキの窓は、他人の未来だけを映す窓だった。ユウキの努力は、隣人の未来を切り開くための、無意識のエールだったのかもしれない。
未来を映す窓 猫LOVE @tanisin666
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