僕のエイリアン~ある者との馴れ初め~

始焉司祭アルメオ

第1話 紹介

僕の名はエム。歩いて一分足らずで田畑を目にするほどの田舎に住む秘密を抱えた普通の小学生だ。人間生きていると誰しも他の人には言いたくないことの一つや二つはあるものだろう。だから秘密を抱えることは珍しくない。ごくありふれた普通のことだ。


かくいう僕も普通が何かなんてわからない。勉強、スポーツ、ゲームなど、あらゆるステージがある中で常に中間の位置にいる人の事だという人もいるかもしれないが、僕からしてみれば地位をキープできる人を普通というのはおかしなことだ。


だが、僕が抱える秘密は普通であってほしくはない。僕はこの方小学生になる前の記憶がない。だからいつからその秘密を抱えていたかなんて分からない。毎日学校に行っては家に帰る日々。親からは学校で何があったか聞かれるが、話せるほど印象的なこともない。関係ないが、家族構成は父と母と兄二人。


ただ、この人たちも僕の秘密を知らない。当然、それ以外の人たちも知る由がない。そんなことを言っても信じてくれないだろうし、仮にその真偽を問われたり、同じような人がいるとしても、見せることはできないし、確認する術もない。


今これを読んでいる人には特別に教えてあげるけど、それをあり得ないと笑わないでほしい。その秘密は話せるものだ。それは目で見ることができるものだ。だが、他の人には見えない。話をするために僕が口を開ける必要はない。


僕はいつも深夜に寝静まった時など、誰のことも気にしないでいられるときになってから会いに行く。数秒間己の思考をある一点に集中する。


すると、己の意識は現実ではない異空間に移動する。その異空間は白色と灰色と黒色のみで構成されており、赤とか青とかはない。いたってモノトーンなドーム状の空間だ。


その中央に立って何か叫べば、そいつは現れる。何でもいい。ただいまとかおはようとか叫べば頭上にどこから出たのか分からない粒子が集まり、僕の秘密が露わになる。


そいつは白と黒のマーブル模様のスライムになって僕にこう言う。


?「よう。エム。今日も楽しく学校に行けたか?」


開口一番とても馴れ馴れしい。初対面であれば間違いなく避けるであろう奴だ。改めて紹介しよう。コイツが僕が隠しているというより見せる術すらない僕のエイリアンだ。


見た目は先ほど言った白と黒のマーブル模様のスライムに単眼。高さは僕の膝程度。生まれも育ちも分からない。宇宙人か否かも分からないが、某検索サイトGによれば[性質が異なる]といった意味もあるのであながち間違ってはない気がする。


母語は日本語ではなく、耳鳴りのようなキーンという耳障りな音。今こうして日本語を話せているのは僕の記憶を基に言語調節しているかららしい。それはすなわち、僕が英語を話せるようになればこいつも英語を話せるということ。


体を霧状に分散させるほかに、テレパシーを使うこともできる。だから僕の考えも今ここに書いたこともすべて筒抜けなのである。


エイリアン「さっきから何言ってんだよ。質問に答えてくれよ。」


とまぁこのように注意されることもある。この方学校のことを楽しいと思えていないので、コイツの質問に首を縦に振ることはできない。まぁ、会話が口を開けずにテレパシーで済むのはありがたい。言葉足らずで相手に誤解を生じさせ、人間関係の間で衝突する暇が省ける。


エイリアン「何だよ。学校楽しめなかったのかよ。…じゃあ、その分俺と楽しもうぜ!」


コイツはこういう奴である。いうて、こいつと遊べる事かつ映えそうな物なんて何があるとでもいうんだ?


心理戦が必要な物ならばすべてコイツのテレパシーで全てお見通しだからつまらなそうだ。かといって鬼ごっこなどのスポーツをやるにしても体格差はあるし、かくれんぼをしようにもこの空間に隠れられそうな場所などない。


そんなことを考えている間に時間は過ぎる。…時間が来たからこれで失礼しよう。


エイリアン「待て、失礼すんなよ。」


そんな声を無視し僕は現実に戻る。これが僕の日常だ。せっかく見てもらって申し訳ないのだが、ここから先何の話をしようか何一つ決めていない。ただせっかくの不特定多数の人に見てもらう機会なので、あのエイリアンについて質問をする時間を設けたい。


読んでくれた方々は是非どんなことを質問したいかコメントに書いてほしい。以上で今日は終わり。また明日。




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