恋愛は難しい


 何とも言えない空気が流れ、誰も何も言えないでいる。

 するとひふみ先輩がこてんと首を傾げ、自身を指差してようやく口を開く。


「え? 好きなの? 付き合うの? えっと…………と?」


 ……うん?


「俺、同性よりも異性が好きなんだよね。だから純平くんとは仲がいい先輩後輩、お友達でいたいんだけど……それじゃあ駄目かな??」


 ……ううん??

 なにかがおかしい。うんおかしいぞ。オレはふるえるくちびるでセンパイにといかける。


「あ、れ? センパイってオンナノコですよね?」


 するとそれをきいてこたえてくれたのは但馬センパイの方で……。


「はぁ? 何言ってんだ、お前。だろ」


 男。……男?!

 ぶっちゃけそこいらの女の子よりかわいいのに男?!?!


「いや、分からないっスよ!! うわぁ~ん!!」


 オレの泣き声が中庭いっぱいに響く。先輩達は慌ててオレを宥めるが、簡単には立ち直れそうになかった。



 恋愛解禁してほんの数ヶ月しか経過していないが、オレは胸の傷が癒えるまでの間再び恋愛を禁止するのだった。



《終》

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恋愛解禁! あおじ @03-16

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