第40話 そっくり人形制作

 

 あれから一段と寒くなりもう冬になる。メメもあれから走り回らないし…いや、ディーと一緒に走り回っては皆に突撃したり、走り回ってはメノウに乗ったり、走り回ってはウル達に捕獲されたりはしているが…。

 風邪を引いたら大変なので中での訓練にしようかと思っている。冬支度は皆の頑張りで出来たからな。王子達は森から出たのかな?雪が降ったら北側なら大変な事になるだろう。朝食を食べ終わり片付けを済ませた。


「今日から中での訓練にしようかと思ってるんだけど。多分もうすぐ雪も降って来るだろうし外はかなり寒いからね。」


「へー!中にも訓練出来る場所あんだな。」

「そうですね。家でも少し寒いですから。」

「薪が必要な意味分かった。」

「えぇ、ずっと温泉に入っていたいわ。」

「若返ったと言え寒さはこたえるな。」

「中でも訓練出来るならそれがいい。」


 イーサン、ワイアット、シーダ、ルリ姉、トムさん、ジョシュアがそう言ったので中での訓練に切り替えた。訓練場に来ると皆感動していた。やはり家の中にここまで大きな空間は珍しいのだろう。多分重力がある分中の方がキツイと思うがな。訓練は一緒なので先ずは走り込みをした。何故かディーとメメは両手を万歳しながら走っていたが…2人の最近の流行りかなんかか?メェーン!とクマァ~!って叫び走っているがな。訓練を一通り終わらせ昼食づくりをした。出来上がった物をテーブルに運び皆で食べ始めた。


「中の訓練の方がキツイな。」

「多分重力があるからだと思うよ。慣れたら重力を上げると外で戦った時有利になるから。」

「なる程な。」

「強くなれるんだから良いじゃねーか!」

「えぇ、そうね。次は自分だけの為に生きれるわ!」

「あぁ、そうだな。息子は少し心配だがな。」

「そっか。どっちみち内乱起きる可能性が高いのか。メメ王子達森から出たか分かる?」

「メェーン!」

「もう出た?」

「メェーン!」

「そっか。元第三王子と合流して森から出たのか。」

「メェーン!」

「悪運強いクマァ~!」

「ホントウニデテルデス!」

「ウンイイヨー!」

「サイアクナノ!」


《神も予想していない事だろうな。》


「内乱か。民にガツンと影響いきそうだね。でも元第二王子の子供が王になるよりマシなのか…?」

「えぇ、元第三王子が王になるならかなりマシね。」


 ルリ姉の言葉に皆頷いた。それから昼食を食べ終わり片付けをして皆の冬用の服等を召喚した。そして皆に渡した。それから各々自由に過ごしていった。そろそろ暖炉に火をつけた方がよさそうだな。薪を暖炉に入れ魔法で火をつけた。皆には各自自分の部屋は自分でとお願いをした。私も自分の部屋に行き暖炉に薪を入れ火をつけておいた。

 午後から自由時間にしたから私は何しようと考えメノウ、メメ、ディー、ウル、ルア、アズ人形を作る事にした。柔らか素材で押せば皆の口癖鳴けば尚良しなんだけど…。そう思い魔法を使って人形を創り出した。おぉ~、そっくり人形が出来上がった。お腹を押してみると(メェーン!)(クマァ~!)と鳴いたので上出来だ。メノウだけ(ワォーン!)にしたけど…。


「何してるクマァ~?」

「皆の人形作ってたよ。」

「凄いクマァ~!そっくりクマァ~!」

「メェーン!」

「デス!」

「ヨー!」

「ナノ!」


《凄いそっくりに出来てるな。我達のミニサイズだな。》


「あら、本当!可愛いいわ。」

「ルリ姉も欲しい?」

「あら?くれるの?貰うわ。」


 人形を量産してルリ姉にも皆人形をあげた。他の皆も興味深めにみていた。


「欲しい人?」


 皆手を上げた。何故かディー達も手を上げてるけど…。それから皆に配った。


(メェーン!)

「メェーン!」

(メェーン!)

「メェーン!」

「何やってるのメメ?音が鳴ってビックリしたのかな?」

「メェーン!」


 人形を片手にメメが走り出した。久しぶりの走りだな。走りながら(メェーン!)って聞こえてくるけど…。(クマァ~!)(ヨー!)(ナノ!)(デス!)(ワォーン!)もいっぱい鳴ってて凄い事になってるけどな。ま、皆喜んで貰えたならいいか…。








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やる気なし0の異世界暮らし 氷嚢ミゾレ @tomatotomatomato5

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