第11話 混濁
意識を取り戻した
しかも士郎が言うには
自分でも何言ってるかよく分からないけど、それが
何でこんなことになっちゃったのかしら。
双子ならではの意識が同調してとか、オカルト的な何かが起こったとか。
まあ難しいことは考えてもしょうがないわね。
命が助かっただけマシと思って、これからのことを前向きに考えましょ。
美紀の中の
士郎がダメかもって言ってるのは、カラダの方の損傷が激しいのか、脳の方の損傷が激しいのか、どっちなのかしら。最悪、両方ってこともあるわね。
とりあえず確実なのは四肢は無事そうだってことくらいかな。
せめて、
これは何も
美紀が
「とりあえず君だけでも意識を取り戻してくれてよかった。じゃあ僕は真紀のところに行くから失礼するよ。」
ナースコールを
士郎、
いろいろと聞きたいことはあるけど満足にしゃべることもできないから今は無理ね。
あ、こんな状況になっちゃったから忘れてたけど、
あちゃ〜。困ったわね。
でも今なら
ちゃんと話せるようになったら士郎やお母さんにも相談しないとね。
それにしても美紀がこんな自殺みたいなことまでするほど思いつめられていたとは。気が付いてあげられなくてホントごめんだわ。
できるだけ早く回復して、やれることをやらないとね。
ということで今はしっかりと眠ることにした。
次に目を覚ました時、部屋は暗かった。
夜になっているようで、カーテンの隙間から月明かりが射しこんでいる。
カラダの状態を確認してみると、麻酔が完全にきれたようで頭が少しズキズキする。
生きてる証だと思うと全然我慢できる痛みだ。
カラダは…全く動かせないってことはないけど手の指をなんとか曲げ伸ばしできるぐらいは確認出来たわ。
そうこうしてるうちに疲れたのかまた眠りに落ちる。
ふと気づくと誰かが部屋の中にいるようだ。
「全くあんた達は困った子ね。」
お母さん?
「これに懲りたらこの後の人生は二人で仲良くするのよ。」
部屋の中にいた人物は静かにそう呟いた気がする。
夢か現実かよくわからなかったけど
「お母さん、心配かけてごめんね。」
次に目が覚めた時には、部屋には誰もいなかった。
母がいたと思ったけど、気のせいだったのかしら。それともあれはやっぱり夢?
美紀が真紀なら真紀が美紀!? 深香月玲 @crescent_
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