断罪

第1話

兄「何をやってるんだ！？」

妹「何って見てわからない？　リョナ動画を撮ってるの」

兄「は？」

妹「今日はお兄ちゃんが出張行くって言ってたから邪魔にならないと思って撮ってたんだ」

兄「なんでそんなもの撮る必要があるんだ？」

妹「漫画描くから参考にするため」

兄「それでその二人は？」

妹「私がSNSで知り合ったリョナ仲間。今は顔を殴ってもらって鼻血を出させてもらってたの」

兄「お前が脅されて嘘を付いている可能性は？」

妹「私のSNSの投稿見れば一発でわかるよ。スマホはそこのテーブル」

兄「じゃあ、その手と足の痣は何だ？」

妹「見ての通り痣だよ。痣と鼻血がないとやっぱり抜ける動画にはならないからね」

兄「……お前には心底失望した」

妹「私もだよ。だってお兄ちゃん、勃起してるじゃん。今の私の姿見て興奮してたんでしょ？　やっぱり血は抗えないね。」

兄「……違う」

妹「違わない。私がお父さんに殴られてる時に庇ってくれなかったのも本当は殴られるのが怖いからじゃなくて、殴られてる私に興奮してずっと見ていたかったからなんでしょ？」

妹「ねぇ、次のシーンさ、残飯じゃなくて吐瀉物食べるシーンにしようよ」

男1「でも、吐瀉物って用意出来なくないですか？」

妹「大丈夫。私が牛乳飲めば簡単に作れるよ」

兄「お前、牛乳アレルギーだろ？」

妹「エピペン持ってるから。あと、性的倒錯者のお兄ちゃんに心配される筋合いないから」

兄「そういうお前らも同じだろ？」

妹「全然違うよ。……ねぇ、お兄ちゃん。普通の人は妹が殴られてるところ見ても興奮したりしないんだよ。知ってた？」