第4話
「贈り物で花が1番困る」
「分かる。俺ん家には花瓶とかないし」
彼女とは、そんな話題で始まった。悪口では意気投合するなんて、我ながら性格の曲がったカップルだなと思う。
僕らは上手く行った。付き合って、結婚して、子どもができて。十分すぎるほど幸せな人生を一緒に歩めたと思う。
でも、ひとつだけ後悔がある。彼女に花を贈るべきだった。ふたりでやれば、なんだって楽しかった。だったら花を贈ったら……どんな気持ちになっただろう? こんなに悲しくはなかったはずだ。
仏壇に手を合わせる。花の向こうで彼女は笑う。幸せそうだ。でも僕は、彼女の本当のところを知りたかった。
色んなふたり ~ 300文字の恋模様 ~ 加藤よしき @DAITOTETSUGEN
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