第3話

 彼とは大学で出会った。そのあと就職して、普通の社会人になって、付き合って5年。最近、ふたりの時間はずっと減った。


 でも、彼は何があっても記念日は忘れない。


 私の誕生日。付き合い始めた日。どんなに忙しくても、その日は早く帰って来て、お祝いをしてくれる。そういうところが彼らしくて好きだった。


 今日で付き合って6年になる。そろそろ彼が帰って来る時間だ。


 私はテーブルに1枚の写真を置いている。彼と同僚のLINEのやり取りを映したものだ。彼は相手と「好きだよ」「私も」って話をしてる。


 記念日だけ覚えていればいいと思った? 意味ないし、逆効果だよ。


 家のドアが開いた。

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