主人公のアキラはメグミという女の子と夜の公園で、交互にミステリーの問題を出題しあうというゲームをしている。
この日はメグミが出題する番だった。
彼女はその問題についてこのように語る。
ソウダ・ケンジョウという作家が、密室で死亡した。その真相はある十個の条件を同時に満たす。
そして十個の条件についてメグミは語ります。これがなかなかにやっかいな内容で、アキラは時に質問しながら、推理を披露していくのだけど、次々とメグミによって論破されていってしまう。
私もけっこう考えてみましたが、正直その真相が全然わかりませんでした。
特に十個目の条件を満たすのが難しいんですよね。
「この問題、本当に解けるのか?」と私はちょっと思ってしまいましたが、ご安心ください、ちゃんと解ける真相が用意されています。
私は解けませんでしたが、その真相は意外性がありながらも納得感のあるものでした。
主人公の推理や彼女の反論も非常に論理的で、全体的に隙がない、完成度の高いミステリー作品でした。
この作者はすごく頭のいい方なんだろうなあ、と思います。
推理小説が好きな人にはたまらない作品なんじゃないでしょうか。おすすめです。
いや~楽しかったです!!
待ちに待っためまいさんの最新作は「究極の密室殺人」。細部まで徹底的に作り込まれた論理構造に息を呑みました。
本作で描かれるのは「ぼく」とメグミの知的遊戯。メグミが推理クイズを出題し、ぼく君が解答するというもの。
メグミの出題内容はあらすじにある通り、
「小説家の左右田鍵錠という人物が、密室空間内で死亡した。
真相は次に述べる十個の条件を、同時に満たす……」
というものです。
この問題からぼく君および読者は密室トリックの解明に乗り出すこととなります。
この天野、ミステリ好きの名にかけて、今回は本気で謎解きに挑戦してみました。そして――しっかりと敗北しました。
問題篇・推理篇の時点で次々と可能性が消去されていき、「もうこんなん不可能やろ」としか思えません。
そこから満を持して提示される解決篇。明かされた真相に驚愕させられるとともに、大いに納得させられました。
「もはや解はそれしかないな」とストンと腑に落ちる感覚は、本格ミステリとして完成されているがゆえだと思います。脱帽です。