一マイル法師

机カブトムシ

とうもろこし畑のぱわー!

 むかしむかし、あるところにおじいさんとおばあさんが住んでいました。

 

 ふたりは、ちへいせんいっぱいにひろがるトウモロコシ畑でたくさんのトウモロコシを作って楽しくくらしていました。


 ふたりには悩みがありました。それは、こどもがいないことです。


 おじいさんとおばあさんはまいにち教会で主においのりをしていました。


「どうか、わたしたちにこどもをさずけてください」


 そうしているとある日、おじいさんたちの家のまえにエンパイアステートビルよりもはるかに大きなこうのとりがやってきました。


 こうのとりは、おじいさんたちのトウモロコシ畑に赤ん坊をおいてそらへととびたっていきました。


「きっとかみさまのつかいにちがいない」

「そうにきまっています」


 おじいさんとおばあさんは、そのぼーいんぐのひこうきのなんばいもある赤ん坊をそだてはじめました。


 ところが、その赤ん坊はいくらトウモロコシを食べても大きくも小さくもなりませんでした。


 何年たってもそのおおきさのままだったので、そのこどもをおじいさんとおばあさんは「一マイル法師」と呼ぶようになりました。


 ある日のことです。


「ぼぉくぅわぁ、ひぃがぁしぃかぁいがぁんにぃいってぇ、だぁいとぉうりょうにぃなぁりぃたぁい」


 一マイル法師はトンネルに突っ込んだかもつれっしゃよりもおおきな声でそういいました。おじいさんとおばあさんはふたつへんじで一マイル法師を送り出しました。


 たびだつ前におじいさんとおばあさんはメタセコイアを引き抜いてつまようじのかわりに一マイル法師へわたしました。


 おじいさんとおばあさんが一マイル法師を送り出してすぐに、一マイル法師はかけあしで走り出しました。


 そしてたいようがあまりうごかないうちに、ニューヨークにつきました。にぎやかなまちだったので一マイル法師はおどろいてそのまちなみをとびこえ、ローワーわんにおちてしまいました。


 しかし、ウォール街のはしゃたるおおがねもちががかれのことをきにいり、ごうかなクルーズ船のそうじを任せました。


 一マイル法師はまいにちまじめにクルーズ船をそうじしました。ちいさなスクリューやふなぞこについたふじつぼをきれいにとっていくのです。


 ひとしごとをおえたらばーがーきんぐにとくちゅうしたおおきなわっぱーと二トンのぺぷしこーらをのんでひとやすみするのです。


 こんなせいかつがつづいていたあるひ、Devilがあらわれておおがねもちのむすめをさらおうとしました。


 一マイル法師はそのDevilをメタセコイアのつまようじでつぶしました。あたまだけになったDevilはあわてて逃げていきました。


 そのひから一マイル法師はだいにんき、映画のしゅえんをつとめたり、どこかのしゅうのちじにもなりました。


 そしてついにあめりかのだいとうりょうになり、おおがねもちのむすめとけっこんして、どういうしくみでせいしょくがおこなわれたかはわかりませんがまつだいまでさかえたそうです。

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