本作の芯は「無双」ではなく「選択」。一度退魔師の道を諦めた男が、妖狐に取り憑かれた杏里と出会い、もう一度“守る覚悟”を取り戻していく物語だ。強さは都合よく降ってこない。だからこそ、日常の温度と、夜の参道で襲い来る異能の緊張が鮮烈に噛み合う。術式を“理屈で積み上げる”座学パートも、成長の説得力に直結しているのが上手い。過去の痛みを抱えたまま、それでも前へ進む主人公の背中に、静かに熱くなる。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(230文字)
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(199文字)
タイトルやキャッチに引かれて最初は、「妖狐もの退魔師バトルかな?」と思って読んだ。…違った。全然違った。恋愛、和解、異能バトル、自己成長、家族愛。全てが繋がっていて、「これは心の物語なんだな」って気づいた。中盤までで回想を挟み、土台を組み立ててから一気にバトル展開へ。終盤の妖狐とのバトルや、奥義詠唱バトルは読んでいてスピード感と迫力があった。最後まで読み終えたあと、ラストのタイトルの意味が理解できた。これは「人生の応援譚」だったんだ。
杏里と狐。旦那さんと弟君。二つの相反する人格を、一つの身体に収まっているのが、新鮮に感じました。狐の封印が解かれるのか、襲撃に合い、杏里と旦那さん、弟くんの三人の生活はどうなるのか。続きがとても気になります。文章が読みやすく、好きな文体です。