第8話 交換条件

 放課後。


 帰路に就き前にも空き教室で涌井に元気なあそこをいじってもらい、満足して最高の時間と気分を過ごした俺。


 校内で用事のある涌井と別れ、1人で帰路に就く。


 昇降口から正門に向けて移動する。その間に様々な生徒達と遭遇する。


 不思議と涌井といけない関係を持つために他人(特に男子)に対して優越感を勝手に抱きながら愉快に足を進める。


 ウキウキの気分のまま正門前まで到着する。


「やあ、我妻! 」


 俺の気持ちを中断させるように、正門に腰を持たれ掛け、待機する金髪ロングヘアのギャル。普段と変わらずに濃いめのメイクをしている。


「…南さん」


 俺は南のニコッとした笑みを見て身構える。以前に誘われた記憶を思い出し、次に何かされるかと思ったためだ。


「ねぇねぇ。今日こそ、あたしの要望を聞いてくれる? 」


 南は俺に接近し、一瞬だけ俺のあそこに視線を走らせ、すぐに俺の顔に目を向ける。その視線だけで南の要望の内容が予測できた。以前と同じで今回も俺のあそこが目的なのだろう。


「南さん。前にも言ったんだけど…」


 俺は理由を付けて断ろうとする。このギャルに何をされるか予想できない。とんでもないことをされるかもしれないと勝手に思い込み、拒否反応を示す。


「これ見ても同じこと言える? 」


 南は意地悪な企みの笑みを浮かべながら、自身のスマートフォンを取り出し、画面を俺に見えるように向ける。


「え…」


 俺は南のスマートフォンの画面に映る画像を認識し、驚きを隠せずに両目をこれでもかと大きく見開く。


 南のスマートフォン委は1つの画像が表示されていた。


 涌井に股間をいじられ、気持ちよさそうに目を瞑りながら身体をよじらせて感じている顔を浮かべる俺の姿が鮮明に画像に収められていた。この1枚だけを見ると、性行為の途中だと勘違いされても不思議ではないだろう。


「…これをどこで? 」


 俺は声を震わせながら尋ねる。


「これ? あたしが撮ったんだよ。だって、頻繁に2人共、似たようなタイミングで教室を抜け出してたんだもん。それで変だと思ってバレないように後を追ったら、空き教室でエロいプレイが行われていた。ただそれだけ。それにしてもやるね~。まさか、空き教室で真由にあそこを触って貰ってるなんて。我妻の見方が劇的に変わったよ! 」


 南は揶揄うように俺の腕を肘で小突く。


 俺は南の相手を出来るほど冷静ではなかった。今後の最悪のシナリオを想定していた。南が俺と涌井とのあそこのプレイの映った画像を学校中に拡散するさあ行くの未来を。


「大丈夫! 大丈夫! 悪用は絶対にしないから。もちろん学校に拡散なんて有り得ないから! 」


 南は俺の心境を表情で察したのか。俺を安心させるような材料を提示する。


 そうか。そうなんだ。悪用はしないのか。なら安心だな。


 俺は南の言葉に一旦、安堵する。最悪の未来の可能性は消えた。


「拡散はしないけど、あたしの要望は飲んでくれるよね? 前の同じで我妻のあそこを見せてくれるって話。それが、あたしの望み。返答次第では、ちょっと色々と考えちゃうかも」


 南は、わざとらしく顎に手を添え、悩むような素振りを見せる。


 こいつ。取引を持ち出しやがった。半ば強制的に言うことを聞かせようとしている。


 だが、背に腹は代えられない。


 もし、俺が要望を断り、南が仕返しに先ほどの画像を校内に拡散すれば元も子もない。


 最悪なシナリオだけは避けなければ。


「分かったよ。いいよ」


 俺は仕方なく観念して南の交換条件を承諾する。


「よし。話の聞き分けが良くて助かる」


 南は、うんうんと首を何度か縦に振る。


「じゃあ、あそこのコンビニに行こうか」


 南は喜びを抑えきれないように頬を綻ばせながら、正門から見える近くのコンビニを指した。

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クラスの陽キャ達に日常的に駒のように利用されていた俺が、無茶ぶりで体育の後に女子更衣室に入ったら、大きなあそこに惹かれた美少女達にアピールを受けるようになった 白金豪 @shirogane4869

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