物怪人─モノケビト 怪異の力を持つ人間

◎登場人物、用語紹介

◯登場人物（レギュラー陣）

⚪︎九重明治／ここのえ・あきはる

　主人公。私立永蘭高校の高校２年生。基本的に正義感強めな真面目男子だが、めんどくさがりな一面も。あだ名はメイジ。

　５年前、神社に現れた怪異を取り込み自分の力にした人間のうちの１人。

　『モノケビト』となってからは光るキツネ耳と９本の尻尾を持つ姿に変化でき、青白い火を自在に出せるようになった。

　しかし、今は尻尾は８本になってしまっている。

　よく怪異に遭遇するようになったため、理事長である苑団の協力のもと、表向きは『オカルト研究同好会』として怪異への対策活動を行っている。『オカルト研究同好会』／『対怪会』の会長／副司令官を務めている。

　生徒会長である柑奈に憧れている。

⚪︎赤園満斗／あかぞの・みつと

　私立永蘭高校２年生の男子生徒。あだ名はミツ。イケメン枠でモテるが、高校では恋人を作るつもりはないので、全て断っているような人物。

『オカルト研究同好会』２人めの会員で、明治とは結成以来の友人。

　小学生の頃、悪友たちから肝試しをさせられた時、遭遇した廃校舎の怪異を取り込んで自分の力とした『モノケビト』。

　赤黒い全身を覆うローブマントに能面のような白い面、長い刃物を持った姿に変化できる。この姿の時は片言しか話すことができないが、機動力、耐久力が大幅にアップする。

　永蘭高校理事長で『対怪会』司令官の苑団のことは尊敬している。

　かつて怪異に弟を苦しめられたことから、怪異を憎んでいる節がある。

　自身の力については、おぞましいものと感じながらも、なんだかんだ怪異対策に役立っていて便利であると考えているらしい。

⚪︎河二唱子／かわつぎ・しょうこ

　私立永蘭高校２年生の女子生徒。クラスの委員長だが、オカルトに詳しく結構ノリがいいところも。自らや一時的に捕縛した怪異を元とした怪異への研究を主に行っている。『対怪会』におけるデータの管理も担当している。

　オカルト研究のためになんと自ら心霊スポットを巡るほど肝が座っており、

そんな彼女を満斗は『鉄の女』と称しているが、彼女はこの言葉を嫌っているため、時折満斗を締め上げる（物理）。

　千葉の心霊スポットへ訪れた際に遭遇した怪異を取り込み、自由に伸縮可能で手足のように操れる髪の毛といつでも後頭部に第二の口を出現させる力を手に入れた。

なお、普段の彼女はショートヘアである。

⚪︎巌鎌大智／いわかま・たいち

　私立永蘭高校１年生。ほんのちょっと田舎出身らしく、自らの幼少期を『野生児』と自虐する礼儀正しい少年。新しくできて２ヶ月ほどの『オカルト研究同好会』そのものに興味があったらしいが、入会してから怪異の力を手に入れたのか、それとも元々手に入れていたのかは不明。

　丸い耳が生え、両手の指が鎌の姿に変化する。

⚪︎更陽柑奈／さらひ・かんな

　私立永蘭高校の高校２年生で生徒会長を務める優等生。

　何かと怪異を呼び寄せてしまう体質なのかたびたび怪異事件に巻き込まれるが、無傷で保護されることがほとんど。

　怪異の力を持たないが、怪異を視ることができる。

　だがおそらく『対怪会』の存在は知らない。

　彼女自身は、怪異よりも人間の方が恐ろしいと思っている。

　大のヘビ好きなことは、一生の秘密にしようとしているらしい。

⚪︎榊山雪果（さかきやま・せつか）

　私立永蘭高校の１年生。生徒会では副会長を務める。

　大智のクラスメイトである。流れるようなサラサラの白銀髪を持つ雪のような美少女。会長の柑奈に心酔しており、お供と化している。

　何を考えているのか分からないことがある。

⚪︎苑団三蔵／あやまど・さんぞう

　私立永蘭高校の現理事長。

　理事長と言われると何かと関わりづらく聞こえるが、本質は怪異についてかなり詳しいじいさんである。６３歳。太ったイケおじ。

　５０年前に怪異を取り込んだ古き『モノケビト』であり、丸い尻尾と耳が生えた姿からさまざまなモノに化けることが可能。

　明治とは近所に住んでいた頃からの付き合いで、ウチの学校に来ないかと誘ったのも彼。もちろん、えこひいきなどをするような人物ではないが、明治を孫のように可愛がっている節がある。

　世の中に蔓延る怪異にはつくづく頭を悩まされており、対策を望んだ明治の要求を呑み、表向きは『オカルト研究同好会』として永蘭高校内に『怪異対策本部・対怪会』を置くことにした張本人。『対怪会』では司令官を務める。

□用語

◻︎怪異／かいい

人知を超えた存在のことをひとくくりにした名称。

『妖怪／物怪』や『都市伝説』などが挙げられ、主に人に対して害を与えるものが多いが、ごくまれに人に対して悪意を持たない者や、人間社会へ良影響を与えている者もいる。

◻︎変化／へんげ

怪異もしくは怪異の力を持つ者が変身・変態すること。

◻︎モノケビト／物怪人

自分に取り憑いた怪異を取り込んで力にした人間のこと。

取り憑く怪異には物怪のみではなく『都市伝説』も含まれるが、この力は古来からあった上に物怪の力を持つ者が圧倒的に多いため、改称されずそのままとなっている。

なお、この力を持つ人間には怪異が視える。

◻︎対怪会／たいかいかい

理事長の苑団を司令官とした怪異対策本部。

表向きは永蘭高校の『オカルト研究同好会』として活動をしているが、怪異による悪影響が確認された場合は、退治または封印する役割を担う。

基本的に『モノケビト』としての姿を見せないということがルール。