エピローグ

 ――数日後。


 いつもの公園。

 ランプの上で壮馬が派手に転び、楓があきれ顔でため息をつく。

 瞳は笑いながらデッキを拾い上げた。


 遠くで子どもたちの声。沈みかけた夕陽。

 何も変わらない光景のはずなのに、胸の奥は少しだけ温かかった。


 ――私は、レイとしてステージに立つ。

 ――でも、ヒトミとしての私も、ここにいる。

 

 瞳はスニーカーの音を響かせながら、再びランプに向かって走り出した。


<END>

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俺が、私で、アイドルで SUZUOKA @clear_hills

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