あとがき

◇◆◇


この物語を書きながら、

僕自身も「感情」というものの重さをあらためて考えました。


怒りや悲しみ、嫉妬や絶望……

僕らはそれらを「負の感情」と呼び、なるべく遠ざけようとします。


でも、本当はそれらがあってこそ“人間らしさ”が形になるのだと思います。


泣くことは弱さじゃない。

怒ることは未熟じゃない。

そして、誰かを想って心が痛むことは——生きている証拠なんです。


主人公のように、感情を閉ざしたまま生きる人は、

きっと今の時代、少なくないと思います。


それでも、誰かの優しさや涙に触れた瞬間、

「自分にも、まだ心がある」と気づけることがある。


この作品が、そんな“気づき”のきっかけになれたなら嬉しいです。


——感情は、痛みを伴って成長していくもの。

その痛みを恐れずに抱きしめられる日が、きっと誰にでも訪れます。


読んでくださって、ありがとうございました。

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深く増幅された感情は、ときに自分を成長させることを僕らはまだ知らない。 αβーアルファベーター @alphado

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