ある日僕らは自分の人生を小説に例えてスピーチしようという授業を受けた。皆優秀なスピーチに景品があると聞いていたため、とても張り切っていた。今回はその日の話をしよう。
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「僕の人生は、控えめに言って駄作だ」
教室の教壇に立ち、僕はそう切り出した。ざわついていた空気が、水を打ったように静まり返る。
「第一章からパッとしない。主人公は冴えないし、伏線回収もない。毎日が退屈な日常の焼き直し。だけど、この小説には致命的な欠陥がある。──それは、勝手にページがめくられ、まだ『連載中』だということだ。」
「どんなにつまらない駄作でも、ダサくて、泥をこねくり回している今この瞬間でも、物語は続いている。だったら、ただの打ち切りを待つのは癪じゃないか。」
「ここから最悪の予想をいい意味で裏切り、展開をひっくり返してやる。最後に笑えれば、それまでの退屈な前半生はすべて、極上の『どんでん返し』を引き立てるためのスパイスに変わる。伏線はこれから回収すればいい。駄作は、良い味を出すための最高の仕込みなんだ」
僕はその日、この授業の優秀賞を取った。
チャイムが鳴る。僕の、いや、僕たちの物語は、ここからが本番だ。