翌日―再び聞き込み

喫茶店で再度、凡間が八木田に聞き込みをしている。

「小暮さんを見たという証言、他にもありますか?」

「いや・・・もう一人いましたよ、そういえば。中川さんね、上の階の。何か言ってましたよ、彼も」

「つまり、上の階に住む中川さんが住んでいるのは、上の階なのですね?」

「ねぇ凡さん、念のため聞くけど・・・あなた、事件解決する気ある?」

「事件とは、起こったから事件なのだ」

「0点の名言出すのやめて!!」

「とにかく、その中川とかいうやつに話を聞いてみよう」

刑事の禿山がまとめて、この場はお開きになった。



アパートにて、中川の証言。

「え、小暮くん? いや、午後は出かけてるって聞きましたよ?」

「話が矛盾してるな・・・」

「つまり、話が食い違っているということだな」

「ただ言い換えただけ!!」

「よし、監視カメラを確認しよう。廊下に設置してあったはずだ」

禿山は少々呆れた顔で言った。



監視カメラの映像を確認する3人。

画面には、小暮の部屋から出てくる人物。しかし、帽子とマスクを着用しているため顔は不明。

だが、その動きが・・・妙に、妙に小暮の体格と違う。

「ちょっと待って、この人・・・小暮さんではない!?細すぎる・・・!」

「つまり、違う人が、小暮さんの部屋から出てきた、ということは・・・」

禿山が目を見開いた。

「――他人が、小暮のふりをしてた可能性がある!」

「ふむ・・・では、この人物がスーツを着ていれば・・・スーツを着た人だったということになるな」

「そこ戻らなくていい!!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る