第5話 真相

◇◆◇


恐怖に駆られ、

僕は日記と布切れを警察へ持ち込んだ。


鑑定の結果、それは失踪事件の被害者のDNAと一致した。


家は封鎖され、

未解決事件は大きく報道された。


だが、犯人の行方はいまだに掴めていない。


事件を解決に導いた“住人”として、

僕の名前はわずかにニュースに残った。


けれど僕の心は安らがない。

あの夜以来、夢に繰り返し現れるからだ。


――玄関の向こうに立つ、

薄笑いを浮かべた相良という男の姿が。


「君が見つけてくれると思ってたよ。

 次は……君の番だ」


相良はスーツを着たあの男性に思えた。


【完】

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