リセマラ聖女【旧題:お前達は被害者の善性に頼りすぎている】

おもちのかたまり

誰でも簡単☆邪教祖様の作り方



材料

・幼子のメス

・劣悪な環境

神様あなた


作り方

劣悪な環境にいる幼子に神様の力を与えるよ。

力が上手く混ざったら、聖女の完成☆

好きなタイプの聖女になるまでリセマラしてね!


あとは成長を見守るだけ!

0.003%でSSRの『善なる邪教祖』がゲットできるかも☆









「ごめんなさい、ごめんなさいっ!!」


「ああ、煩い…。泣かないで。君が悪いの。わかっているでしょう?」


みっともなく這い蹲って、蟲みたいに逃げ回る女の腹を蹴り飛ばす。潰れたカエルみたいな声が上がって、身体がくの字に曲がった。そのまま脇腹にヒールを食い込ませれば、ミシミシと骨の軋む音がする。


「ぎゃぁあっ!あ゛あ゛あ゛っ、ゆるしてっ、助けてっ!」


「どうして、彼女のお願いは聞いてくれなかったのに。あなたの願いを、私が聞かねばならないの。」


ぐ、と全体重を乗せれば、それはそれは簡単に女の肋骨が折れた。痛みに声もなく泡を吹いて、床に吐瀉物をまき散らされる。


「おかしいな。ご飯はあげていないはずなのに。なんで食べ物が混ざっているの。誰かな。言いつけを守らない悪い子は。」


振り返って壁に並べた使用人達を順に眺める。ああ、君か。ゆっくりと、この女の侍女に近づいて、俯く顔を覗き込む。


「優しい君に、チャンスを上げるよ。」


「ひっ、お、お嬢様…っ、私は!」


「食べて。そうしたら、初めからアレは君が食べたものだった。という事にしてあげる。」


アレ。そういいながら、あの女の吐瀉物を指さす。ここが絨毯じゃなくて残念だったね。フロアの床には水分がしっかり残っていて、胃酸の匂いが充満して、他の者の嘔吐を誘発している。


「そ、そんな、そのような、」


「どうして?優しい子。助けたくて、哀れだったから、私の命令を無視して、与えたのでしょう。施したのでしょう。優越感を、感じたのでしょう。劣等感を、埋めたのでしょう。なら、その責任を取らねば。」


絶望の顔色と、震える唇。白む指先。関係ないな。侍女の髪を掴んで、吐瀉物の前まで引きずる。…昔なら考えられない。枯れ枝に劣るような身体だったのに。


「お許しください!お許しくださいお嬢様ッ!!」


「ほら、君の優しさを魅せて。」


暴れる侍女を、床に叩きつける。ああ、受け身を取らないから。鼻を強かにぶつけたのか、鼻血を出してしまっている。それが吐瀉物と混ざり合い、なんとも汚らしい。


「おたべ、優しい子。私に許しをこう君に、選択肢などないんだよ。わかるでしょう。」


頭を上に向かせれば、髪束がぶちぶちと引き抜け、涙を流す侍女に、出来るだけ優しく話しかける。


「…ッできません、お許しくださいおゆるじっお゛ぁあ゛あ゛あ゛!!」


「ああ、だから、選択肢などないと言ったのに。」


ぼこぼこと顔の脂肪や筋肉が波打つと、腐った魚の腹の様に膨れ上がり、侍女の頭ははじけ飛んだ。


「私は、聖女。そのように、神が定めたのだから。私の慈悲を拒めば、罰が当たるよ。」


頭上に戴く、金に輝く荊の冠。白く色素の抜け落ちた髪。血の気を感じない肌。赤い瞳。何もかも、生まれた時の私とは、違う色彩。もう、暗がりで泣いて、この女に怯える私は、死んでしまったのだ。


「これは復讐ではないの。罰だ。悪戯に子供を産み、虐げ、悪逆の限りを尽くした者達よ。幼子の命を、消した灯の責をとれ。それが、君たちに許された、救いだ。」


同じ数だけ鞭で打ち、同じ数だけの苦しみを。その身体に刻むんだ。


「っ聖女様!このようなことを、神は望みますまい!!どうか聖女としての慈悲お゛ぉお゛お゛ぁあ゛!」


壁に並ぶ従僕の身体が、床に幾許かの血痕と衣類を残し、沸騰したように蒸発した。


「君たちは、なにか勘違いをしているね。」


怯え、震え、中には自らの体液で足元を汚しながら。壁に並ぶ使用人達を見やる。


「神が彼女を愛すなら。彼女はあのような苦しみを、味わう事はなかっただろう。神に慈悲があるのなら。私に力を与えることは、なさらなかっただろう。神であるならば、帰結を知りえるのだから。」


たとえば、神が神たるものならば。何度も彼女を見出して。何度も力を与えて。私を生み出す度に、見たはずだ。この光景を。それでも彼女に力を与え、私を生むのなら。


「この選択は、『神の意志』である。自らが生き残るに値する善性であるというのなら。祈れ。生き残った者が、最も純然たる『善』だ。」


私の振るう力は、『聖女』として『正しい』ものである。そう、生き残ったが言うのだから。正義は私と共にあるんだ。

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リセマラ聖女【旧題:お前達は被害者の善性に頼りすぎている】 おもちのかたまり @omothi_no_katamari

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